- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 「世界の工場」はどこに行くのか?―アジアで広がる国内格差
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
1――「世界の工場」から「消費市場」へ
2――地方が取り残される?
3――「世界の工場」と「消費市場」を両立させる
■introduction
中国やASEANなどのアジア新興国・地域は、人件費の安さを強みとして、世界の工場としての地位を築き、世界で売られているさまざまなモノの生産拠点となった。
しかし近年、高成長とそれに伴う所得の上昇によって「世界の工場」から「世界の消費市場」としての魅力を高めている。小売業などのサービス業もアジア新興国・地域への参入を増やしている。例えば、米国のコーヒーチェーンであるスターバックスは、アジア新興国・地域に1700を超える店舗を展開している(図表1)。同社は今年、インドにも第1号店を出店する予定で、着実にアジア新興国・地域への進出を拡大していると言える。
アジア新興国・地域は順調に消費市場として育っており、そこでモノ・サービスを売ろうと考える企業は多い。
このように所得が高まり消費市場が拡大して行くことは歓迎すべきことのように思える。しかし、今まで世界の工場としてアジア新興国・地域に生産拠点を持ち、人を雇っていた企業にとってはそうでもない。人件費の上昇が、悩みの種になっている。
所得が増え、消費市場としての魅力が拡大すると世界の工場としての魅力が低下してしまうというジレンマを抱えているのである。だからといって世界の工場としての魅力を保持するために、所得の上昇を抑制し、国が豊かになれないのであれば本末転倒である。
では、アジア新興国・地域の所得が高まるなか、世界の工場はどこに行くのだろうか。
アジア新興国・地域にとって、これは重要な問題である。
(2012年04月24日「基礎研レター」)

03-3512-1818
- 【職歴】
2006年 日本生命保険相互会社入社(資金証券部)
2009年 日本経済研究センターへ派遣
2010年 米国カンファレンスボードへ派遣
2011年 ニッセイ基礎研究所(アジア・新興国経済担当)
2014年 同、米国経済担当
2014年 日本生命保険相互会社(証券管理部)
2020年 ニッセイ基礎研究所
2023年より現職
・SBIR(Small Business Innovation Research)制度に係る内閣府スタートアップ
アドバイザー(2024年4月~)
【加入団体等】
・日本証券アナリスト協会 検定会員
高山 武士のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/09/12 | ECB政策理事会-2会合連続で全会一致の据え置き決定 | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/12 | 欧州経済見通し-関税合意後も不確実性が残る状況は続く | 高山 武士 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/09/11 | ロシアの物価状況(25年8月)-前年比の低下基調が継続、8%台前半に | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
2025/09/05 | トランプ関税後の貿易状況(25年9月更新版) | 高山 武士 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年09月16日
インド消費者物価(25年9月)~8月のCPI上昇率は+2.1%に上昇、GST合理化でインフレ見通しは緩和 -
2025年09月16日
タイの生命保険市場(2024年版) -
2025年09月16日
外国人問題が争点化した背景-取り残されたと憤る層を包摂する政策を -
2025年09月16日
男性の育休取得の現状(2024年度)-過去最高の40.5%へ、産後パパ育休で「すそ野拡大」効果も -
2025年09月16日
今週のレポート・コラムまとめ【9/9-9/12発行分】
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【「世界の工場」はどこに行くのか?―アジアで広がる国内格差】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
「世界の工場」はどこに行くのか?―アジアで広がる国内格差のレポート Topへ