- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 雇用関連統計11年10月~失業率の急上昇は雇用情勢の悪化を示さず
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・失業率は前月から0.4ポイントの急上昇
・労働需給は改善傾向が継続
■introduction
総務省が11月29日に公表した労働力調査によると、10月の完全失業率は前月から0.4ポイント上昇し4.5%となった(QUICK集計・事前予想:4.1%、当社予想は4.2%)。
労働力人口が前月よりも25万人増えるなか、就業者数が前月から横ばいにとどまった結果、失業者数が前月に比べ25万人の大幅増加となった。
失業率は震災前(2月)の4.6%から9月には4.1%まで低下したが、その主因は職探しを諦め労働市場から退出した人が増えたことによって失業者が抑制されたことであった。10月の失業率悪化の一因は、求職活動を再開し労働市場に戻ってくる人が増えたことで失業者としてカウントされる人が増えたことである。非労働力化の進展に歯止めがかかったことは前向きに捉えることが可能であり、足もとの雇用情勢が失業率の急上昇が示すように大きく悪化したわけではない。
なお、東日本大震災後、雇用調整助成金の特例が拡充されたことを受けて3月、4月と急増した雇用調整助成金の申請数は5月以降、6ヵ月連続で減少している。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、製造業は前年比▲26万人減となり、9月の同▲23万人減から減少幅が拡大した。鉱工業生産は東日本大震災後の落ち込みから夏場にかけて急回復したが、その後は回復ペースが大きく鈍化している。こうした動きが製造業の雇用に影響を与えている可能性がある。その他の産業では、建設業が前年比▲2万人減(9月:同5万人増)、卸売・小売業が前年比▲3万人減(9月:同▲7万人減)となる一方、医療・福祉が前年比25万人増(9月:同24万人増)と引き続き雇用を下支えしている。
(2011年11月29日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/11 | 2024~2026年度経済見通し-24年10-12月期GDP2次速報後改定 | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/07 | 可処分所得を下押しする家計負担の増加-インフレ下で求められるブラケットクリープへの対応 | 斎藤 太郎 | 基礎研マンスリー |
2025/03/04 | 法人企業統計24年10-12月期-経常利益(季節調整値)は過去最高を更新したが、設備投資は低調 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/04 | 雇用関連統計25年1月-女性を中心に労働市場への参入が進む | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月14日
噴火による降灰への対策-雪とはまた違う対応 -
2025年03月14日
ロシアの物価状況(25年2月)-前年比で上昇が続き10%超に -
2025年03月14日
株式インデックス投資において割高・割安は気にするべきか-長期投資における判断基準について考える -
2025年03月13日
インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ -
2025年03月13日
行き先を探す“核の荷物”~高レベル放射性廃棄物の最終処分とエネルギー政策~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【雇用関連統計11年10月~失業率の急上昇は雇用情勢の悪化を示さず】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
雇用関連統計11年10月~失業率の急上昇は雇用情勢の悪化を示さずのレポート Topへ