2011年07月12日

7月日銀決定会合:2ヶ月連続での上方修正 「持ち直している」

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・現状判断:2ヶ月連続での上方修正 「持ち直している」
・展望リポート中間見直し:2011年度成長率を下方修正

■introduction

日銀は11-12日に金融政策決定会合を開き政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0-0.1%程度に据え置き(全員一致)、総額40兆円の基金創設による各種金融資産買い入れにも変更はなかった。
景気の現状は、「震災による供給面の制約が和らぐ中で、持ち直している」とし、先月の「生産面を中心に下押し圧力が続いているが、持ち直しの動きもみられる」から上方修正した。上方修正は2ヶ月連続となる。
先行きは、供給制約の和らぎによって生産が回復に向かっていくにつれ、好調な海外経済を背景とした輸出の増加や復興需要の顕在化などから、「2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復していくと考えられる」との先月の見方を維持している。
7月1日発表の6月日銀短観では景況感が足元は大きく悪化したが、サプライチェーン復旧に伴い先行きは改善が示された。日銀は今年度後半にかけて、景気が緩やかな回復基調に戻るとの見方を強めていると思われる。
ただ、電力リスク、海外経済・金融などの不透明感は逆に高まっており、現状の景気判断を進めても、先行きの景気の下振れリスクを注視する姿勢は変えていない。日銀は引き続き下振れリスクを意識した政策運営を迫られている。

(2011年07月12日「経済・金融フラッシュ」)

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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