- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア・新興国経済 >
- マレーシアは、利上げ見送り~持続的な経済成長の見極めを重視
■見出し
・金融政策の状況
・インフレの状況
・(補足)資源国の燃料補助金
■introduction
マレーシア中央銀行(バンク・ネガラ・マレーシア、BNM)は7月7日に金融政策決定会合を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.00%のまま据え置くことを決定した。中央銀行は、金融危機後には政策金利を2.00%まで引き下げていたが、2010年3月からは金利の引き締めに転じ、2010年7月まで3回連続して利上げを実施していた。その後、4回連続して金利を据え置いたものの、前回の会合(2011年5月)で再び利上げに踏み切っていた。
さて、2010年以降のマレーシアの政策金利は消費者物価指数(CPI)上昇率よりやや高い水準を保つようにコントロールされていた。前回の会合においては、2月・3月のCPI上昇率が3%付近まで上昇し、当時の政策金利である2.75%を上回って推移していたことが確認されたために利上げが行われたように思われた。しかしながら今回の会合では、5月のCPI上昇率が前年同期比で3.3%となり2009年3月以後で最大の伸び率を記録し、政策金利も上回っていることが確認されたにもかかわらず、政策金利は据え置かれた。
中央銀行は、世界経済に下振れリスクがあり、外需が鈍化する懸念があると指摘。内需は堅調に推移すると考えられるが、注意深く経済状況を見極めた上で、持続的な成長が確認できれば、さらなる物価安定に踏み切りたいとした。今回の決定においては、インフレを抑制することよりも経済成長の鈍化を回避することが重要視されたことになる。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1818
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年01月22日
バイデン新政権発足、円相場への影響は?~マーケット・カルテ2月号 -
2021年01月22日
ECB政策理事会-政策変更なし、経済見通しも想定内 -
2021年01月22日
未婚化と雇用 ~コロナ禍で求められる雇用の確保~ -
2021年01月22日
新型コロナ禍の自社株買い動向-前年度比は大幅減少も、足元は徐々に増加 -
2021年01月22日
世界各国の新型コロナとの闘いを振り返って
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2021年01月21日
News Release
-
2020年10月15日
News Release
-
2020年07月09日
News Release
【マレーシアは、利上げ見送り~持続的な経済成長の見極めを重視】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
マレーシアは、利上げ見送り~持続的な経済成長の見極めを重視のレポート Topへ