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- 2010~2012年度経済見通し~景気後退回避の条件
2010年11月17日
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- 2010年7-9月期の実質GDPは前期比0.9%(年率3.9%)の高成長となった。これまで景気の牽引役となってきた輸出の伸びが大きく低下し、外需寄与度は前期比0.0%の横ばいとなったが、自動車、たばこの駆け込み需要などから民間消費が前期比1.1%の高い伸びとなり、成長率を大きく押し上げた。
- 10-12月期は輸出の低迷が続く中、駆け込み需要の反動により民間消費が大きく落ち込むため、5四半期ぶりのマイナス成長となる可能性が高く、鉱工業生産も2四半期連続の減産が確実な状況となっている。足もとの景気は足踏み状態にあると判断される。
- 景気は足踏みでとどまるか、このまま後退に陥ってしまうのか微妙な局面にさしかかっているが、海外経済の回復や円高の是正に伴い輸出の伸びが高まること、反動減の影響一巡により個人消費が持ち直すことから、2011年1-3月期にはプラス成長に復帰し、景気後退局面入りは回避されるだろう。実質GDP成長率は2010年度が2.7%、2011年度が1.6%、2012年度が1.9%と予想する。
- コアCPIは2010年度の前年比▲0.9%の後、2011年度が同0.1%、2012年度が同0.5%と予想するが、2011年8月に予定されている基準改定により上昇率が大きく下振れする可能性もある。

(2010年11月17日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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