2010年08月06日

8月ECB政策理事会:銀行間金利上昇は「正常化」のプロセス

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・経済指標の堅調と「ストレステスト」の結果公表で過度の悲観論は修正へ
・先行きについては慎重な構えを崩さず
・銀行間金利上昇は正常化のプロセス、注目される9月理事会の決定

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は、5日に8月の政策理事会を開催、政策金利の据え置きを決めた。欧州市場では「ストレステスト」の結果や経済指標の堅調を受けて、行過ぎた悲観論修正の流れが続いている。トリシェ総裁は足もとの景気は「予想以上の堅調さ」とする一方、「環境は不透明」とし、先行きに対する慎重な姿勢を強調した。6月以降の銀行間金利上昇は「正常化のプロセス」との認識を示した。
9月末以降も、非標準的手段として実施された長期資金供給の満期を控えていることから、次回理事会で、現時点では未確定の10月以降の資金供給の条件を見直し、「出口戦略」をさらに一歩進めるのかが注目されよう。

(2010年08月06日「経済・金融フラッシュ」)

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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