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先日、全国の小学校5年生と中学校2年生を対象に実施した「平成21年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査(以下、体力調査)」の結果が発表され、以前に発表された「平成21年度全国学力・学習状況調査(以下、学力調査)」の結果とともに各都道府県の関係者の間には悲喜が交錯している。
学力調査は、学力低下の批判を受けた国が各地域における児童生徒の学力や学習状況をきめ細かく把握・分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るという目的で2007年度から再実施した調査である。また、体力調査は、小中学生の体力の状況を把握・分析するために2008年度から実施されている。
両調査の結果から学力と体力の間にはどういう関係があるのか、その相関を分析して見たところ、正の相関があることが確認された。さらに、小学校より中学校の方でより強い正の相関が見つかった。これは体力が強い子どもが勉強も良く出来るという結果である。筆者の育った韓国では勉強に才能や興味がない子どもは運動という選択肢があり、専門的なアスリートになるかあるいは大学のスポーツ関連学部に進学するケースがよくあった。そのうち専門的なアスリートになる者は少なく、大体は大学進学を目指した「次善の策」として運動を選択したのである。しかしながら、日本の調査からは筆者の経験とは異なった結果が出ており、その結果からは「文武両道」の道を歩んでいる子どもがある程度存在していることが分かる。調査の結果には格差やその他の要因が混在している可能性もある。従って、今後低下を続けている私立学校の参加を促すなど対策を講ずることによって、実態を把握するとともに子育てのしやすい環境を構築するための万般の準備を整えるべきである。

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