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- 米2月ISM指数、製造業は若干上昇、非製造業は低下の動き
■見出し
・製造業指数は35.8とやや上昇回復するも、非製造業指数は41.6に低下
・製造業各指数では、雇用指数が過去最低を更新:各指数の内訳
・非製造業各指数は、全般、低水準で冷え込み示す
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、2月製造業指数(PMI)が35.8と、前月(35.6)とほぼ同水準ながら、市場予想値(33.8)は上回り、2ヵ月連続の上昇となった。しかし、指数の水準は極めて低く、最近のボトムで、1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準だった12月(32.9)を2.9ポイント上回るに過ぎない。また、製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50についても、13ヵ月連続で大きく下回った水準にある。発表元のISMでは、PMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、2月PMI(35.8)は、実質GDPの年率▲1.7%に対応するとしている。
一方、2月の非製造業指数(NMI:注)は41.6と1月(42.9)から▲1.3ポイント低下したものの、市場予想(41.0)は上回った。今回を含め5ヵ月連続で50を割り込んだこととなる。また、事業活動指数は40.2と前月(44.2)から4.0ポイント低下、今次リセッション前の最低値だったテロ事件直後の2001年10月(40.5)を再び下回るなど、景況感の冷え込んだ状況が窺われる。
今年に入ってからのISM指数は、“フリーフォール”の状態を呈した昨年末とは異なり、内訳の構成指数等もまちまちの動きを見せるなど、模様眺めの展開を見せている。中でも、製造業指数を構成する中核的な指標である新規受注・生産指数の持ち直し(12月との比較ではそれぞれ+10.0ポイント上昇)は、水準は低いとは言え、12月が指数としては底であった可能性を示唆する動きとして注目される。
ただし、全般的に指数の水準は低く、製造業、非製造業とも依然として厳しい状況におかれていることが示されている。金融危機が続く中、先行きの景気についても不透明感が強く、企業センチメントの冷え込みもしばらく続きそうな状況と言えよう。
また、価格指数の回復(12月比で製造業は+11.0、非製造業は+12.0)も、水準は低いもののデフレスパイラルへの警戒をやや緩和した形となっている。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
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土肥原 晋
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