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- 金融危機下のユーロとポンド
2009年02月13日
- 欧州では、統合の進展で相互補完型の関係緊密化が進んでいたため、相互に悪影響を及ぼし合って、揃って景気が大幅に悪化している。
- 公的負担の増大への懸念から、ユーロ圏内ではドイツ国債とスペイン等とのスプレッドが拡大している。信用力の低い国にとってユーロの恩恵は明らかであり、ユーロ離脱は考えづらい。しかし、ユーロ圏は単一通貨圏として不完全な状態にあることは確かであり、危機の克服には政策面での協調と補完が不可欠であろう。
- ユーロ未導入のEU加盟国では、金融混乱の長期化・深まりとともに、ユーロ導入の機運が高まっているが、イギリスは深刻な状態にありながらも消極姿勢を変えていない。
- しかし、ポンドの信認低下、EUの金融規制・監督体制の見直しに対する影響力が限定される状況が続けば、イギリスもユーロ未導入のコストを意識せざるを得なくなる。逆に、大胆な金融政策と大幅な為替調整に、効果的な不良資産対策で対外的な信認回復とユーロ圏よりも早い経済の建て直しに成功する可能性もある。その場合、ユーロからの距離は一段と遠のくことになるだろう。
(2009年02月13日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
伊藤 さゆりのレポート
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