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- 12月調査短観~歴史的悪化だが、まだ現実の悪化を追いきれていない面も
2008年12月15日
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■要旨
- 12月短観は仕入れ価格判断DIが大きく低下した以外は、良いところなし。10月以降マクロ経済指標が示すように急速に景気が悪化している姿を鮮明にした。
- 歴史的な悪化幅となった大企業製造業業況判断DIが示すように、企業マインドは足元急激に悪化、さらにマインドだけでなく、収益、設備、雇用などの事業計画も大きく下方修正されている。雇用と設備判断DIから作られる短観加重判断DIで経済全体の需給バランスを見ると、いよいよ「需要不足」に転じてきた。景気後退が「深く、長く」なるとの材料だらけとなっている。
- さらに想定為替レート(下期想定レート101.04円)などを見る限り、まだ現実の悪化に「追いついていない面」があり要注意だ。円高が進むと企業の中期の期待成長率が大きく後退し、今以上に雇用、設備の「過剰感」が高まるリスクが高いと言える。
- 資金繰り、金融機関貸出態度は急ピッチで悪化している。97年頃のクレジットクランチと状況が似ており、企業金融周りの対策が緊急課題であることを示している。
- 日銀は次回決定会合で景気認識をもう一段下方修正するだろう。2002年5月以来の「悪化」との判断となってもおかしくない。年度末までにもう一段の追加緩和策が実施されるだろう。円高の行方によっては次回決定会合で動くことも十分想定される。
(2008年12月15日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
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