2008年10月03日

10月ECB政策理事会:インフレ警戒後退、利下げに布石

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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■見出し

・景気判断とインフレ・リスクの双方を下方修正
・インフレ鈍化、雇用軟化を見極めた上で12月にも利下げ転換

■introduction

欧州中央銀行(ECB)は2日に政策理事会を開催、4.25%で政策金利の据え置きを決めた。今回の最大の注目点は、前回理事会以降、米国の金融混乱が深まり、欧州でも複数の金融機関が国有化に追い込まれたことを受けたスタンスの変化にあった。トリシェ総裁は声明文で景気判断とインフレ・リスクの双方を下方修正、質疑応答では据え置きと利下げの2つの選択肢を検討したことも明らかにした。
今回の声明文・会見の内容は、利下げへの地ならしと位置づけられるものだ。ECBは年内2回の政策理事会を残しているが、世界的な景気減速を織り込んだ原油価格の低下、ユーロ圏における雇用の軟化でインフレ圧力の「消滅」が確認できるようになる12月の利下げとなる可能性が高いように思われる。

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

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