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白川総裁就任、初めての決定会合(4月)~景気判断を下方修正
総合政策研究部 研究理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次
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■見出し
・白川総裁就任、渡辺副総裁候補は不同意
・4月決定会合・金融経済月報:景気判断を下方修正
・定例記者会見:政策の方向性は予断を持つことは適当ではない
■introduction
9日、白川方明・日銀副総裁の総裁昇格案が衆参で同意された。しかし日銀副総裁に渡辺博史・前財務官を起用する政府案は、民主党などの反対多数で不同意となった。
副総裁と審議委員の2名空席の7名でしばらく金融政策が運営されることになる。
今回白川総裁が誕生したことで市場は一安心だ。確かに霞ヶ関や財界、各国との調整能力、リーダーシップ、さらに転換期を迎えた経済情勢を考えると市場との対話が短期間でうまく醸成できるのかなどは未知数ではある。しかし若いリーダーで金融政策に精通し、金融政策に対する考え方が福井前総裁と大きく変わらないと見られ、市場にとって継続性があり安心感を与える。
今回渡辺氏が不同意となり、失われたものも大きいと考える。渡辺氏は国際金融に詳しく、国際協調が必要な局面で、その人脈や経験を生かせなくなったことは残念だ。また将来的には金利上昇の中で、国債管理が極めて重要な問題になり、日銀と財務省の「連携」「協調」が必要とされるが、今回のことで溝ができてしまうリスクが高まってしまった。
また今回一連の件で、(1)2名空席、(2)新たにメンバーに加わったのが白川総裁1人のみ、(3)インフレターゲットについては賛否があるにせよ伊藤隆敏東大教授のように、現在メンバーからはなれた意見をもつ人が入らなかった、ことで議論の幅を狭め、議論が均質化しやすい状況となってしまった点も失われたものとして指摘できよう。
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