2008年03月24日

白川・西村副総裁の就任会見(3/21)~景気認識は福井前総裁のもとでの判断と大きな違いなし

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■introduction

日本銀行の白川方明副総裁(総裁代行)、西村清彦副総裁が21日就任会見を行った。
白川副総裁は、経済の現状について「不確実性が高い」としながらも、基本的な認識は福井前総裁のもとで政策決定会合が3月に示したものと「それほど大きな違いはない」とし、「足元は減速し、一定の減速局面を経た後、緩やかな拡大がまた続く」というのが標準的なケースだと述べた。現在の金利水準については「潜在成長率と比べると非常に大きな緩和方向の力を発揮している」と従来の日銀見解を踏襲、今後の金融政策については、「足元の経済情勢を点検し、常に予断を持たずに適切に情報を集めて臨みたい」と述べた。
西村副総裁は、経済の現状について「足元を見るとかなり減速しているが、基調として見るならば緩やかな拡大を続けている」、金融政策については、「極めて注意深い政策運営が必要」と述べた。
白川副総裁は福井前総裁と経済金融情勢認識、金融政策運営の考え方に大きな違いはない。総裁不在+1人審議委員欠員という状況ではあるが、新体制は今のところ福井前総裁体制から情勢判断・政策運営が大きく変わらず、継続性ありと見ていいだろう。
新体制が利下げへ大きく舵取りを変えるかどうかは、日銀の「生産・所得・支出の好循環メカニズムは基本的に維持されている」との見方が今後変わるのかどうか、当面は4月1日の短観でどれくらい「景気後退」の材料がでてくるのかが注目だ。

(2008年03月24日「経済・金融フラッシュ」)

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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