- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 東京G7:世界経済に下方リスク、しかし具体策なし
■見出し
・世界経済:不確実な環境に直面している
・為替:前回とほぼ同様の内容
・市場安定化策:やはり具体的な対応策なし
■introduction
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が2月9日、8年ぶりに東京で開かれた。米サブプライム問題から金融市場の動揺が続き、世界経済の先行き不透明感が強まる中、世界経済・市場安定に向けた対応策が協議された。
G7声明では、「昨年10月の会合に比べ、世界はよりチャレンジングで不確実な環境に直面している」と指摘。米国について「生産と雇用の伸びが大幅に減速し、リスクは一層下方に傾いている」との厳しい認識を示した。その上でG7全体では「世界的な経済・金融の動向を反映して程度の差はあるが、成長は短期的にいくぶん減速すると見込まれる。下方リスクが存続している」との見方を示した。
前回07年10月にワシントンで開かれたG7では、夏にサブプライム問題により世界的な市場の混乱が表面化していたが、まだ声明では「力強い成長は5年目に入っている」「全体のファンダメンタルズは引き続き強力である」などと強いトーンがあったが、今回大きく状況判断が下方修正されており、環境が急変したことを端的に示している。
世界経済・市場を安定軌道に戻すため「個別にあるいは共同して適切に行動する」と明記され、また「協調」の文言は入っているものの、具体的な行動は明記されていない。各国の置かれている状況の違いもあるが、今のG7の枠組みに限界があることを改めて印象づけている。
今回G7は、ほぼ予想通りの内容だった。世界経済が厳しさを増す中、具体的な策は提示されず、市場の不安はぬぐえていない。
市場の株安、ドル安の流れは当面続く可能性が高い。米国景気の一段の悪化、モノライン資本増強策の不振、金融機関損失拡大などネガティブ材料が出た場合、大きく下振れするリスクが高い状況に変化はない。
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1837
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年01月20日
2020年中国REIT市場の現状と今後の見通し~公募REITが始動、民間資本や個人投資家に期待~ -
2021年01月20日
行動経済学から見たネット型マッチングサービスの課題と期待~コロナ禍における少子化対策として~ -
2021年01月19日
新型コロナ「感染症法」改正の方向性-罰則導入と都道府県知事等の権限強化 -
2021年01月19日
今週のレポート・コラムまとめ【1/12~1/18】:新型コロナ ワクチンの優先順位-誰からどの順番で接種すべきか -
2021年01月19日
統計分析を理解しよう:正規分布、標準化、標準正規分布の概念
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2020年10月15日
News Release
-
2020年07月09日
News Release
-
2020年06月25日
News Release
【東京G7:世界経済に下方リスク、しかし具体策なし】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
東京G7:世界経済に下方リスク、しかし具体策なしのレポート Topへ