2008年02月01日

西村審議委員講演(1/31)~柔軟な対応を考えていくのは当然

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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■見出し

・講演:柔軟な対応を考えていくのは当然、現在は慎重に見守るのが適切
・会見:すべての選択肢は排除するわけではない

■introduction

西村審議委員が1/31日に公演・会見を行った(熊本県金融経済懇談会)。
日本経済について「建設投資の落ち込みや、原材料価格高騰の影響などから足元減速しているが、基調としては緩やかな成長軌道にある」、米国経済ついては「低成長ないしは停滞が当面相当程度続いたあと、その後は住宅市場の調整に応じる形で、潜在成長率近傍の成長経路に向かった動きが出てくる」との認識を示した。
その上で今後の金融政策運営について「リスク要因が顕現化する蓋然性はまだ低い状態で、慎重に見守るのが適切な対応」としたが、「リスクが現実化する蓋然性が高まるような場合には、柔軟な対処を考えていくのは当然」と利下げをイメージさせる発言を行った。 
会見では「利下げ」に質問が集中した。
西村審議委員は、「すべての選択肢は排除するわけではない。その時点その時点で最も望ましいものを的確に判断しながら決めていくというのが、政策決定のベストプラックティス(最良措置)だ」と状況によっては利下げもありえるとの考えを述べた。
また「すべての選択肢」の中には、量的緩和政策やコミットメント政策、ABCP、株式の買い入れなど、過去に行われたあらゆる政策を含むと考えてよいのかとの問いに「選択肢の集合というのは、過去に行った選択肢の集合はもちろん含むし、それ以上の選択肢の中で、われわれは当然ながら考えなければならないし、逆に言えば、その選択肢を広げる努力をわれわれは常にしていかなければならない。その中で最もその時期において望ましい選択肢の組み合わせをどうするかをこれから考えていかなければならない」と答えた。

(2008年02月01日「経済・金融フラッシュ」)

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総合政策研究部   常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任

矢嶋 康次 (やじま やすひで)

研究・専門分野
金融財政政策、日本経済 

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