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■見出し
・講演:展望レポートに沿った内容
・会見:ダウンサイドリスクが強まる場合でも、よりロングランなリスクは考えなければならない
■introduction
福井総裁の講演・記者会見が11/5日に行われた(大阪経済4団体共済懇談会)。
講演では、10月31日の展望レポートに沿った説明が行われた。日本経済は「下ぶれリスクは高いものの、景気回復・物価の緩やかな上昇シナリオは維持されている」、その上で金融政策運営は、「日本経済が物価安定のもとでの持続的成長軌道をたどる蓋然性が高いことを確認し、リスク要因を点検しながら、経済・物価情勢の改善度合いに応じたペースで徐々に金利水準の調整を行う」との内容であった。
会見では「ダウンサイドリスクが、米国経済あるいは国際的な金融資本市場中心に、少し高くなってきているという事実は認識している」とした上で、利上げについて
・ 「ダウンサイドリスクにばかりかまけていて、しばらく我々は頭の中を空っぽにして待つのだということは、将来の大ミスに繋がる態度になる。ダウンサイドリスクが強まる場合であっても、一方で、緩和を長く続け過ぎることによる、よりロングランなリスクを十分考えなければならない」
・ 「日本に限らず、海外においても、経済の大きな変動を結果としてもたらした、その以前の段階では、ある問題に対する対処に余りにもエネルギーが注がれ過ぎて、一見、すぐには起こりそうもないリスクから目を離すという瞬間があったのではないかという反省がある。率直に言って、日本においても同様のことがあったのではないか」
と、このところ市場の利上げ観測が大きく後退していることもあり、少し強めのトーンを示した。
(2007年11月06日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1837
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
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