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- 金融政策・市場の動き~強気の日銀シナリオと市場とのギャップ
2006年11月02日
- 10月31日、日銀から展望リポートが発表された。前回4月の展望リポートからCPIの基準改定により2006年、2007年について予測中心値が0.3%、0.5%とそれぞれ下方修正された。しかし、経済・物価情勢の見通しや金融政策運営については、文言の多少の変化はあったが、ほぼ前回レポートの踏襲といった内容。
- 現段階では日銀と市場の景気認識、利上げタイミングに対してのギャップは大きい。日銀の政策委員は、来年春先と見込まれる米国の利下げ前にできればもう一回程度利上げを行っておきたいというのが本音。利上げは今後の経済統計次第だが、米国のソフトランディングが確認され、日本の改善を示す経済統計がそろえば、早ければ年内か、1月かの可能性はある。
- 長期金利は、当面横ばいでの推移となるだろう。米国経済の減速、FRBの利下げ期待が高まることで日本の長期金利低下圧力も引き続き高い。しかし一方で、国内経済は回復が継続しており、今以上の低下への警戒感も根強い。
- 円ドルレートは、日本の連続利上げ観測が醸成されない中では、絶対金利差が着目されドルの底堅い展開が続く。ただし米国のインフレ懸念が弱まり、景気刺激のためにFRBが利下げを実施するとの観測が強まる年末にかけては、円高傾向が鮮明になろう。
(2006年11月02日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
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