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- 金融政策、金融・為替市場の動き
2005年06月03日
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- 5/20日の決定会合で、当座預金残高の一時的な下限割れを容認する「なお書き修正」が行われた。6/2日には、2001年3月の量的金融緩和政策導入後で初めて誘導目標の下限を割り込んだ。日銀は景気が踊り場を脱すれば、当座預金残高の引き下げに踏み切ろうとするだろう。下限割り込みという既成事実は、引き下げ前に、市場の拒否反応を和らげるという効果が期待できると日銀は少なからず考えているはずだ。
- 踊り場を脱したとの判断ができるには最低でも次回短観(7/1)、4-6月期GDP(1次QEは8月中旬、2次QEは9月上旬)を待たなくてはならない。次回決定会合は現状維持が想定されよう。当研究所では、景気は踊り場から後退に向かうと予想しており、次の回復局面まで当座預金の引き下げ論は自然消滅すると見込む。
- 国内債券市場は、国内景気の明確な方向感が見えにくい中、投資家の需要は強く債券市場の好環境は続く見込み。ただし金利の水準自体が低いために、低下局面では投資家からの売りが予想され金利低下余地も限定的。
- 為替市場では、金利差・景況感格差から対円、ユーロともドル優勢の展開が続く見込み。ユーロでは政治的不透明感も重なり、弱めの動きが予想される。ただし、ドルを巡る構造問題は潜在的なドル売り材料として残存し、ドル高の上値も限定的だろう。
(2005年06月03日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1992年 :日本生命保険相互会社
・ 1995年 :ニッセイ基礎研究所へ
・ 2021年から現職
・ 早稲田大学・政治経済学部(2004年度~2006年度・2008年度)、上智大学・経済学部(2006年度~2014年度)非常勤講師を兼務
・ 2015年 参議院予算委員会調査室 客員調査員
矢嶋 康次のレポート
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