2001年10月19日

欧州経済動向/IT不況と米景気後退下で低迷が続くアジア経済

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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<欧州経済動向>

  1. ユーロ圏では企業部門の悪化から雇用調整が進行、消費者マインドは悪化している。
  2. 英イングランド銀行は4日に0.25%の利下げを実施、ECBは11日の定例理事会で利下げを見送った。英国、ユーロ圏ともにインフレ率は鈍化、景気下振れリスクへの警戒感を強めており、追加利下げに含みを残している。

<今週の焦点:IT不況と米景気後退下で低迷が続くアジア経済~>

  1. 世界経済が同時不況の様相を呈する中、アジアの経済成長率は大きく鈍化している。中でも対米IT機器輸出依存度が高い台湾、シンガポール、マレーシアの景気悪化が目立つ。
  2. 金融・財政面からの政策は強化されているが、押し並べて輸出依存度が高い一方、企業・金融システムの脆弱性や財政事情の悪化から政策による下支えに限界がある国が多く、調整局面は通貨危機時以上に長引く可能性がある。

(2001年10月19日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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