- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~
<要旨>
- 最近、デリバティブ(金融派生商品)取引がわが国においても増加している。デリバティブの発展を支えるキーポイントは、「インフラの整備」、「内部管理」、「外部への透明性」である。これらの内で特に「外部への透明性」としての会計処理・ディスクロージャーの分野における改善が求められている。
- 米国においては、デリパティブは原則として時価評価し、へッジであるものは繰り延べるという会計処理が行われてきた。しかし、デリバティブの普及とともに問題が生じ、ディスクラージャーの拡充についてはいくつかの対応が行われている。会計処理についてもへッジを含めたデリバティブの会計処理について現在議論が行われている。
- わが国においても、金融制度調査会をはじめ各方面で、デリバティブの会計処理・ディスクロージャーについて議論が行われている。わが国においてもデリバティブを利用する企業の「外部への透明性」は不可欠な問題であり、米国のような先進事例を参考として検討すべきであろう。
- デリバティブのような金融商品の発展や現在の変動の激しい経済環境においては、取得原価による“What was”についての情報だけでは十分な情報提供ではない。企業の現在を把握するためにも、時価評価である“What is”を評価体系に採り入れることが求められるようになっている。投資家は、企業の過去や現在ではなく、その企業の将来に対して投資するのであるから、将来についての“What if”の情報も必要となっている。
- 今後、わが国の事業会社においてもデリバティブの時価情報やリスクに関する情報のディスクロージャーを充実する必要があろう。会計処理においても、へッジ会計の導入と時価評価に基づく会計処理の導入が求められる。
このレポートの関連カテゴリ
栁田 宗彦
研究・専門分野
ソーシャルメディア
新着記事
-
2022年06月29日
新型コロナ感染症拡大によって、どんな人が結婚したいと感じたか -
2022年06月28日
今週のレポート・コラムまとめ【6/21~6/27】:まるわかり“実質実効為替レート”~“50年ぶりの円安”という根深い問題 -
2022年06月28日
AIの時代、どこから先を信じるか-ブラックボックスにどう対処する? -
2022年06月28日
3年に一度の介護保険制度改正の議論が本格始動-ケアプラン有料化などが焦点、科学的介護、人材不足対応も -
2022年06月28日
「仙台オフィス市場」の現況と見通し(2022年)
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2022年06月28日
News Release
-
2022年05月17日
News Release
-
2022年04月21日
News Release
【デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
デリバティブの会計処理・ディスクロージャーはどうあるべきか ~米国における検討を参考として~のレポート Topへ