- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- イングランド銀行の独立
■introduction
英国の中央銀行であるイングランド銀行は、現在、欧州で最も独立性の低い中央銀行の一つで、大蔵省の管轄下にあるも同然である。イングランド銀行は政治から独立し、金融政策の決定に単独責任を負うべきであるとの主張が広まっている。
この主張は、英ポンドのERM(欧州通貨制度為替相場メカニズム)離脱後の政策の失敗によって一層勢いを増している。政府の金融政策および蔵相自身に対する信頼は、ほとんど崩壊した。他の欧州諸国の中央銀行のように今後イングランド銀行の独立性が高まれば、信頼を回復することができるだろう。
これは、通貨統合に至るためには不可欠な前段階であるし、いずれにせよ金融マターへの政治介入は好ましくない。
経済的にみると、中央銀行の独立性とインフレ率の間に、ある程度の相関関係がある。ただ、このことは中央銀行の独立性の影響というよりも、低インフレ経済であることが中央銀行の独立性を高めているのかもしれない。
政府は、中央銀行の独立を支持する経済的論拠に納得しておらず、イングランド銀行を独立させるくらいなら、欧州通貨統合(EMU)の第三段階に移行した方がましだと思っているかもしれない。ただその時機はまだ明らかではない。
このレポートの関連カテゴリ
ジョン・ドウ
研究・専門分野
ソーシャルメディア
新着記事
-
2021年01月18日
「ニッポンの結婚適齢期」男女の年齢・徹底解剖(5)―2018年婚姻届全件分析(再婚女性&総括編)― -
2021年01月15日
EUソルベンシーIIにおけるLTG措置等の適用状況とその影響(6)-EIOPAの2020年報告書の概要報告- -
2021年01月15日
新型コロナによる都道府県別の個人消費減少額を試算-緊急事態宣言の再発令でさらなる落ち込みは不可避 -
2021年01月14日
さくらレポート(2021年1月)~景気は持ち直しているが、先行きに慎重 -
2021年01月14日
企業物価指数(2020年12月)―前年比でマイナス幅は徐々に縮小へ
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2020年10月15日
News Release
-
2020年07月09日
News Release
-
2020年06月25日
News Release
【イングランド銀行の独立】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
イングランド銀行の独立のレポート Topへ