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■見出し
1.貯蓄率
2.貯蓄の適切さ
3.貯蓄率の低下(1980~1988年)
4.貯蓄率の上昇(1988~現在)
■要約
貯蓄率はこれまで、個人資産に大いに依存していると見られている。個人の資産全体のおよそ半分は不動産関係であり、住宅建設市場の動向が唯一の最も重要な貯蓄率の決定要因である。住宅建設市場自体は、長期にわたる保守政権のもとでの金融規制の緩和と経済的繁栄によって活況を呈してきたが、最近では、住宅ローン金利軽減借置の圧縮や金融の引締めによって水を差された。その結果、1980年代には全般的に下降基調にあった貯蓄率は、現在上昇しつつある。
貯蓄率の低下がもたらした主な経済的影響は、経常収支赤字の拡大である。また、超過需要が、インフレの一層の高進につながった。しかし、最近の貯蓄率の回復に伴い、これらの傾向は逆方向へ戻り始めている。
貯蓄率はさらに上昇へ向かうというのが、当面の見通しである。経済は、より深い景気後退に向かって落ち込んでいる。EMS(欧州通貨制度)の為替レート制度に加わったことが大幅な金融政策の緩和を妨げている。こうした状況のもとでは、住宅市場は、金額ベースでは回復の徴候がいくつか見えるが、所得との対比、あるいは一般物価水準との対比で上昇する可能性は少ないようである。当面、貯蓄に関する予備的動機が、強い状況が続こう。
(1991年03月01日「調査月報」)
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