2018年03月20日

【アジア・新興国】インド医療事情と医療保険制度~モディケアとは何か

経済研究部 准主任研究員   斉藤 誠

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■要旨

インドの保健医療の水準は、この四半世紀で大きく改善した。乳幼児死亡率と妊産婦死亡率を見ると、インドは低中所得国のなかでは健闘している。一方、先進国レベルには程遠く、改善余地は依然として大きい。

インドの医療制度の最大の特徴は、公的医療機関では無料で受診できる点だが、実際には公的医療機関の供給は限られ、民間医療機関で受診する国民は多い。また公的医療保険制度の対象範囲は狭く、民間医療保険も浸透していないため、医療費に占める自己負担割合は7割弱もの高水準にある。

現在、全国的に導入されている医療保険制度は、公務員を対象とした中央政府医療制度(CGHS)と、一部の民間企業の従業員を対象とした従業員州保険制度(ESIS)、そして貧困層が政府支援を受けて民間保険に加入できる国家健康保険制度(RSBY)がある。

 今年2月、インド政府が貧困層を対象とした国家健康保護計画(NHPS、通称モディケア)を創設する発表した。NHPSは貧困層を対象とした制度だが、既に同様のRSBYが存在しており、NHPSに目新しさはない。しかしながら、NHPSによって実質3.5億人が新たに医療保険制度の恩恵を受けられるようになる影響は大きい。それでも医療保険制度の対象から外れる国民は多く、NHPSの給付金額には世帯ごとに上限もある。NHPS導入により、インドの自己負担の割合は今後低下するとはいえ、世界的に見て大きい水準であることには変わりないだろう。インドが目指すユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向けて、政府には更なる取組みが求められる。

■目次

1―はじめに
2―インド保健医療の事情
  (1)ミレニアム開発目標の達成状況
  (2)死亡要因
  (3)医療制度の特徴
  (4)医療保険制度の概況
3―モディケアの位置づけ
4―おわりに
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
アジア・新興国経済

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