2017年02月20日

「男性の育児休業」で変わる意識と働き方-100%取得推進の事例企業での調査を通じて

  松浦 民恵

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■要旨

男性の育児参加については、少子化の抑制、女性活躍推進のための環境整備といった政策的な観点のみならず、育児参加を希望する男性従業員等のモチベーションを向上させるという人材マネジメントの観点からも、その重要性に関する認識が徐々に広がってきた。男性の育児休業取得についても、男性の育児参加を映す指標の一つとして注目され、休業取得推進の重要性が指摘されてきた。しかしながら、男性の育児休業取得率は引き続き低迷しており、2020年までに13%という政府の目標も達成が危ぶまれる現状にある。

男性の育児休業については既にいくつかの貴重な研究が蓄積されているが、こうした研究においても、取得を阻害する要因として、管理職をはじめとする周囲や男性従業員自身の「意識」や、長時間労働と低い有給休暇取得率に代表される「働き方」の問題があげられることが多い。

日本生命保険相互会社(生命保険業、以下「日本生命」) では、2013年度より3年度にわたって、男性の育児休業取得率100%を達成し、現在も100%取得推進の取組(少なくとも1週間の取得を推奨)を継続している。また、2016年7~8月にかけて、2013~2015年度の間に育児休業を取得した男性従業員を対象とする「育児休業に関するアンケート調査」が実施され、ニッセイ基礎研究所がグループ会社として調査の設計や分析に協力した。

本稿では、同社の育児休業取得推進の取組のもとで、男性従業員の育児休業取得経験が、男性従業員の家庭や職場での意識や行動にどのような変化をもたらしてかについて分析する。前述したような、育児休業取得の阻害要因である「意識」や「働き方」と育児休業取得の関係は、一般的には、「意識」や「働き方」の変革を通じて、男性の育児休業取得率が向上するという因果関係で語られることが多いが、日本生命の事例では育児休業取得率がそもそも100%であることから、育児休業取得が「意識」や「働き方」にどのような影響をもたらしたかという逆の因果関係からの分析を試み、今後の育児休業取得に向けた示唆や課題を整理することとしたい 。

■目次

1――男性の育児休業の現状と課題
  1|低迷が続く男性の育児休業取得率
  2|男性の育児休業取得に対する主な阻害要因は「意識」と「働き方」
  3|日本生命における育児休業取得推進の取組と本稿の目的
2――日本生命におけるアンケート調査の実施概要と分析対象者の属性
  1|「育児休業に関するアンケート調査」の実施概要
  2|分析対象者の属性等
3――アンケート調査の分析結果のポイント
  1|取得経験によって高まる取得希望
  2|家族関係に気づきや変化の兆候
  3|働き方やマネジメントにも好影響
  4|取得しやすさは周囲の反応次第
  5|育児休業取得推進の取組が、取得しやすい雰囲気につながったと評価
4――男性の育児休業取得の効果と今後の課題
  1|育児休業取得は男性従業員の「意識」にどう影響したか
  2|育児休業取得は「働き方」にどう影響したか
  3|男性の育児休業取得への示唆と今後の課題
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