2016年10月20日

【9月米住宅着工、許可件数】住宅着工許可件数は、増加予想に反して大幅減少。7-9月期住宅投資は2期連続マイナスへ。

経済研究部 主任研究員   窪谷 浩

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1.結果の概要:住宅着工は予想に反して大幅減少、許可件数は予想比上振れ

10月19日、米国センサス局は9月の住宅着工、許可件数を発表した。住宅着工件数(季節調整済、年率)は104.7万件(前月改定値:115.0万件)と、前月からの増加を見込んでいた市場予想の117.5万件(Bloomberg集計の中央値、以下同様)を大幅に下回り、前月から減少した(図表1、図表3)。

住宅着工に先行する住宅着工許可件数(季節調整済、年率)は、122.5万件(前月改定値:115.2万件)と、こちらは前月から増加、市場予想の116.5万件も上回った(図表2、図表5)。
(図表1)住宅着工件数/(図表2)住宅着工許可件数

2.結果の評価:7-9月期の住宅投資は2期連続のマイナス成長が濃厚

9月の住宅着工件数の伸びは、前月比▲9.0%(前月:▲5.6%)と2ヵ月連続でマイナスとなったほか、マイナス幅は15年10月(▲9.8%)に次ぐ落ち込みとなった(図表3)。また、前年同月比でも▲11.9%(前月:+1.6%)と3ヵ月ぶりにマイナスに転じた。

住宅着工件数(前月比)を、戸建てと集合住宅に分けてみると、戸建てが+8.1%(前月:▲5.9%)と前月からプラスに転じた一方、集合住宅が▲38.0%(前月:▲5.1%)と09年4月(▲40.1%)以来の落ち込みとなったことが大きい(図表4)。

住宅着工件数(前月比)の地域別寄与度は、西部で横這い(前月:▲0.8%ポイント)となったほかは、北東部▲4.3%ポイント(前月:+0.2%ポイント)、中西部▲2.1%ポイント(前月:+1.1%ポイント)、南部▲2.6ポイント(前月:▲6.0ポイント)と全ての地域でマイナスとなった。
(図表3)住宅着工件数(伸び率)/(図表4)住宅着工件数前月比(寄与度)
住宅着工件数の先行指標である住宅着工許可件数は、9月の前月比が+6.3%(前月:+0.7%)と上方修正された前月を上回って増加した。また、前年同月比でも+8.5%(前月:▲1.2%)と16年1月(+10.7%)に次ぐ伸びとなっており、住宅着工と対照的にモメンタムが強まっている。

また、戸建て、集合住宅でみると、戸建ては+0.4%(前月+3.5%)、集合住宅が+16.8%(前月:▲3.9%)と、こちらも住宅着工とは対照的に集合住宅の大幅な回復がみられており、住宅着工の落ち込みは一時的とみられる(図表6)。
(図表5)住宅着工許可件数(伸び率)/(図表6)住宅着工許可件数前月比(寄与度)
(図表7)住宅着工件数と実質住宅投資の伸び率 一方、住宅着工件数、許可件数の3ヵ月移動平均の3ヵ月前比をみると、住宅着工が▲7.1%(6月:+2.8%)となっており、GDPにおける7-9月期の住宅投資は、前期比年率▲7.7%となった前期に続いて2期連続でマイナスとなる可能性が高くなった(図表7)。もっとも、許可件数は+12.5%(6月:▲0.9%)とこちらは大幅な伸びとなっており、雇用不安が後退する中で、低金利である状況に変化がないことから、10-12月期以降の住宅投資は回復が見込まれる。
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経済研究部   主任研究員

窪谷 浩 (くぼたに ひろし)

研究・専門分野
米国経済

(2016年10月20日「経済・金融フラッシュ」)

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