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- マネー統計(16年6月分)~投資信託の不調が目立つ、普通預金の伸びは加速
2016年07月11日
1.貸出動向: 伸び率は鈍化したが、見た目ほどは悪くない
日銀が7月8日に発表した貸出・預金動向(速報)によると、6月の銀行貸出(平均残高)の伸び率は前年比2.0%で前月(前年比2.2%)から低下した。伸び率は3ヵ月ぶりの低水準となる。業態別では、都銀等が前年比0.6%(前月は0.9%)、地銀が3.3%(前月は3.4%)とともに低下したが、都銀等の低下が顕著になっている(図表1・2)。
ただし、円高の進行によって外貨建て貸出の円換算額が押し下げられた影響が大きいとみられる。6月のドル円レートの前年比は▲14.8%と5月(▲9.6%)からマイナス幅が大きく拡大しており(図表3)、貸出の見た目の伸び率が押し下げられている。円高による円換算額の押し下げは貸出の実勢とは関係がない。従って、貸出の実勢が大きく勢いを増しているわけではないものの、見た目ほど悪くはないと推測される。
実際、ここ数ヵ月、見た目の伸び率は低下ぎみだが、為替変動等の影響を調整した「特殊要因調整後」の伸び率(図表1)1は堅調に推移しており、直近判明分である5月の伸び率は前年比2.6%と2009年7月以来の高水準を更新している。
ただし、円高の進行によって外貨建て貸出の円換算額が押し下げられた影響が大きいとみられる。6月のドル円レートの前年比は▲14.8%と5月(▲9.6%)からマイナス幅が大きく拡大しており(図表3)、貸出の見た目の伸び率が押し下げられている。円高による円換算額の押し下げは貸出の実勢とは関係がない。従って、貸出の実勢が大きく勢いを増しているわけではないものの、見た目ほど悪くはないと推測される。
実際、ここ数ヵ月、見た目の伸び率は低下ぎみだが、為替変動等の影響を調整した「特殊要因調整後」の伸び率(図表1)1は堅調に推移しており、直近判明分である5月の伸び率は前年比2.6%と2009年7月以来の高水準を更新している。
2.マネタリーベース: 初めて400兆円を突破
7月4日に発表された6月のマネタリーベースによると、日銀による資金供給量(日銀当座預金+市中に流通するお金)を示すマネタリーベース平均残高は前年比で25.4%の増加となり、伸び率は前月(同25.5%)からわずかに低下した。日銀当座預金の伸び率が前年比33.9%と前月(34.1%)から低下したうえ、日銀券発行高の伸び率も前年比6.2%と前月(6.5%)から低下したためだ。
日銀当座預金の伸び率低下は、単に分母にあたる前年の残高増加に伴うもので、日銀当座預金の前年差額は、74.1兆円と前月の71.6兆円から増加している。
また、日銀券(紙幣)発行残高の伸び率低下は2ヵ月連続となるが、前年の同時期に伸びが急伸していたため、その反動が出ている面もある(図表6~7)。
マネタリーベースの月末残高は404兆円と初めて400兆円台に乗せている。
金融政策との関係では、現行の金融政策におけるマネタリーベース増加目標は「年間約80兆円増」であり、単純計算では月当たり6.7兆円増が必要になるが、6月の月末残高の前月末比増加額は17.2兆円に達した。ただし、6月は季節柄、国債の償還が多いことから日銀当座預金が増加しやすいという事情があり、季節調整済みのマネタリーベース平均残高は前月差7.1兆円増と、目標達成ペースをやや上回る程度である。
日銀当座預金の伸び率低下は、単に分母にあたる前年の残高増加に伴うもので、日銀当座預金の前年差額は、74.1兆円と前月の71.6兆円から増加している。
また、日銀券(紙幣)発行残高の伸び率低下は2ヵ月連続となるが、前年の同時期に伸びが急伸していたため、その反動が出ている面もある(図表6~7)。
マネタリーベースの月末残高は404兆円と初めて400兆円台に乗せている。
金融政策との関係では、現行の金融政策におけるマネタリーベース増加目標は「年間約80兆円増」であり、単純計算では月当たり6.7兆円増が必要になるが、6月の月末残高の前月末比増加額は17.2兆円に達した。ただし、6月は季節柄、国債の償還が多いことから日銀当座預金が増加しやすいという事情があり、季節調整済みのマネタリーベース平均残高は前月差7.1兆円増と、目標達成ペースをやや上回る程度である。
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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