- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- 【ASEAN経済】直近の物価動向(4月号)~原油価格の底打ちで緩やかな上昇が続く
2016年04月25日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大

主要品目別に見ると、食料品が同9.09%増と、前月(同7.55%増)を大きく上回ったが、加工食品・飲料・タバコが同6.20%増(前月:同6.46%増)、住宅・電気・ガス・燃料が同1.81%増(前月:同2.17%増)、交通・通信・金融が同1.88%増(前月:同2.89%増)と低下したことから、全体として概ね横ばいとなった。
また食料品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は、同3.50%増と6ヵ月連続の低下となった。
タイの16年3月のCPI上昇率は前年同月比0.46%減と、15ヵ月連続のマイナスとなったものの、マイナス幅が縮小傾向にある(図表3)。 主要品目別に見ると、ガソリン販売価格をはじめ電気や調理用ガスといったエネルギーコストの減少は続いているものの、原油価格が底を打ちしたことから交通・通信は同4.28%減と前月の同4.80%減からマイナス幅が縮小し、全体を押上げた。また2月のタバコの物品税引き上げを受けて、タバコ・酒類は同14.43%増の二桁増を記録した。一方、食品・飲料は同0.97%増(前月:同1.26%)、住宅・家具は同0.50%減(前月:同0.41%減)とそれぞれ低下した。
また生鮮食品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は同0.75%増と、2ヵ月連続の上昇となった。

主要品目別に見ると、食品・飲料(酒類除く)が同1.6%増(前月:同1.5%増)、酒類・タバコは同5.0%増(前月:4.9%増)、飲食店・その他財・サービスが同1.9%増(前月:1.5%増)、娯楽・文化が同1.1%増(前月:同1.0%増)となり、それぞれ小幅に上昇した。一方、住宅・水・電気・ガス・は同1.5%減(前月:同1.2%減)とマイナス幅が拡大した。
また食品とエネルギーの一部を除いたコアCPI上昇率は同1.5%増と、前月から横ばいとなった。
フィリピン中央銀行は、4月22日に2016年第1四半期のインフレーション・レポートを公表した。物価見通しは、2016年がインフレ目標(3~5%)の下限、2017年がインフレ目標の半ばで推移すると示した。

主要品目別に見ると、食品が同1.5%増と、前月の2.4%増から低下した。2月はテト(旧正月)需要で食品価格が上昇していたことから、3月はその反動で低下したものと見られる。また住宅・健在が同2.2%増(前月:同2.4%増)、交通が同10.3%減(前月:同7.2%減)とそれぞれ低下した。なお、保健が26.4%増(前月:同1.7%増)と、3月からの医療費の値上げの影響を受けて大幅に上昇し、全体を押上げた。
また食料品とエネルギー、政府の価格統制品目(医療・教育)を除いたコアCPI上昇率は同1.6%増と、前月の同1.9%増から低下しており、物価の安定が見て取れる。
(2016年04月25日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/08/07 | フィリピン経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比5.5%増~インフレの緩和と利下げにより消費が好調 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/05 | インドネシア経済:25年4-6月期の成長率は前年同期比+5.12%~輸出と投資の拡大で2年ぶりの高水準 | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/08/05 | 輸出減速でも揺るがぬ成長~内需主導で6%台の成長を維持 | 斉藤 誠 | ニッセイ年金ストラテジー |
2025/07/15 | インド消費者物価(25年7月)~6月のCPI上昇率は+2.1%、食品価格の下落で6年ぶりの低水準に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年08月12日
東京オフィス市場は賃料上昇継続。宿泊需要は伸び率が鈍化-不動産クォータリー・レビュー2025年第2四半期 -
2025年08月12日
次期公的年金シミュレーターでは、iDeCoの取崩しイメージも見える化へ~年金改革ウォッチ 2025年8月号 -
2025年08月12日
貸出・マネタリー統計(25年7月)~銀行貸出が連月で急増、定期預金も増勢を拡大中 -
2025年08月12日
景気ウォッチャー調査2025年7月~日米関税合意で警戒感和らぎ、景況感は現状、先行きともに改善~ -
2025年08月12日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for July 2025
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【【ASEAN経済】直近の物価動向(4月号)~原油価格の底打ちで緩やかな上昇が続く】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
【ASEAN経済】直近の物価動向(4月号)~原油価格の底打ちで緩やかな上昇が続くのレポート Topへ