- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- アジア経済 >
- アジア新興国・地域の経済見通し~公共投資や景気刺激策が支えとなるも、輸出回復が遅れて景気は横ばいに
2016年03月18日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■要旨
- アジア新興国・地域の2016年10-12月期の成長率は前年同期比+5.4%増と、前期の同5.5%増から僅かに低下した。総じて内需はインフラ整備の進展や景気の下振れを懸念して各国・地域が打ち出した景気刺激策を受けて堅調だったものの、世界的な資源需要の鈍化や資源国経済の悪化による輸出の下振れが重石となった。
- 消費者物価上昇率は、10-12月期に資源安要因が一巡し始めて上昇に転じた。先行きは原油価格の上昇余地が限定的であることや米国の利上げペースが遅れて過度な新興国通貨安が進む可能性が低下したこと、また各国の景気回復が緩慢なことから上昇圧力が抑制された状況が続きそうだ。
- 金融政策は、年明けに国際金融市場の動揺などが続き、資金流出を懸念して金融政策を据え置く国・地域が多かった。先行きは物価上昇が限定的であることや米国の追加利上げに対する懸念が和らいでいること、そして景気への配慮から金融政策を緩和的に維持すると見ている。短期的にはインドと台湾が利下げに踏み切ると予想する。
- 経済の先行きは、輸出の持ち直しが遅れるなか、企業の設備投資意欲や雇用・所得環境の改善が進まず、民間部門が自律的な回復軌道に入るとは見込みにくい。従って、公共投資や景気刺激策による景気の下支えにも限界が生じれば、成長率が低下する国も出てくるだろう。
■目次
1.アジア経済の概況と見通し
・10-12月期の実質GDP:内需主導の底堅い景気
・物価:低調な原油価格と通貨安懸念の後退で低水準が続く
・金融政策:緩和的水準を維持
・経済見通し:公共投資や景気刺激策が支えとなるも輸出回復が遅れて景気は横ばいに
2.各国・地域経済の見通し
2-1.韓国
2-2.台湾
2-3.マレーシア
2-4.タイ
2-5.インドネシア
2-6.フィリピン
2-7.インド
1.アジア経済の概況と見通し
・10-12月期の実質GDP:内需主導の底堅い景気
・物価:低調な原油価格と通貨安懸念の後退で低水準が続く
・金融政策:緩和的水準を維持
・経済見通し:公共投資や景気刺激策が支えとなるも輸出回復が遅れて景気は横ばいに
2.各国・地域経済の見通し
2-1.韓国
2-2.台湾
2-3.マレーシア
2-4.タイ
2-5.インドネシア
2-6.フィリピン
2-7.インド
(2016年03月18日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ
関連レポート
- 中国経済見通し~構造改革の本格化で成長率鈍化も、財政の発動で景気失速は回避へ
- 【マレーシアGDP】10-12月期は前年同期比+4.5%-消費持ち直しも、投資鈍化で4期連続の景気減速
- 【タイGDP】10-12月期は前年同期比+2.8%~政府支出を支えに緩やかな回復基調を維持
- 【インドGDP】 10-12月期は前年同期比7.3%増 ~消費主導の力強い成長が継続
- 【インドネシア10-12月期GDP】前年同期比5.0%増~予算執行の更なる加速で4期ぶりの5%に回復
- 【台湾GDP】10-12月期は前年同期比0.28%減~景気対策で消費持ち直しも、輸出・投資の低迷で2期連続のマイナス成長~
- 【フィリピンGDP】10-12月期は前年同期比6.3%増~財輸出は伸び悩むも、旺盛な内需で加速~
- 【韓国10-12月期GDP】景気刺激策後の反動減で前期比0.6%増に鈍化

03-3512-1780
経歴
- 【職歴】
2008年 日本生命保険相互会社入社
2012年 ニッセイ基礎研究所へ
2014年 アジア新興国の経済調査を担当
2018年8月より現職
斉藤 誠のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/03/21 | 東南アジア経済の見通し~景気は堅調維持、米通商政策が下振れリスクに | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/13 | インド消費者物価(25年2月)~2月のCPI上昇率は半年ぶりの4%割れ | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
2025/03/06 | インド経済の見通し~農村部の回復と所得減税により民間消費が景気をけん引、当面は+6%台後半の成長持続 | 斉藤 誠 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/02/17 | タイ経済:24年10-12月期の成長率は前年同期比3.2%増~純輸出と政府支出が拡大、2期連続で+3%台の成長に | 斉藤 誠 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年03月25日
ますます拡大する日本の死亡保障不足-「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」より- -
2025年03月25日
米国で広がる“出社義務化”の動きと日本企業の針路~人的資本経営の視点から~ -
2025年03月25日
産業クラスターを通じた脱炭素化-クラスターは温室効果ガス排出削減の潜在力を有している -
2025年03月25日
「大阪オフィス市場」の現況と見通し(2025年) -
2025年03月25日
ヘルスケアサービスのエビデンスに基づく「指針」公表
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【アジア新興国・地域の経済見通し~公共投資や景気刺激策が支えとなるも、輸出回復が遅れて景気は横ばいに】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
アジア新興国・地域の経済見通し~公共投資や景気刺激策が支えとなるも、輸出回復が遅れて景気は横ばいにのレポート Topへ