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- 最近の人民元と今後の展開(2015年12月号)
- 11月の人民元相場(対米国ドル)は基準値・市場実勢ともにじりじりと下落する展開となった。なお、10月末には基準値と市場実勢が0.5%も乖離し、“基準値と市場実勢の大幅乖離が復活するのでは?”との懸念が浮上していたが、その乖離は一時的なものに終わった。
- 12月の人民元(市場実勢)は1米国ドル=6.40元を中心としたボックス圏での推移を予想している(取引レンジは1米国ドル=6.35~6.45元)。12月前半は米国で利上げが予想されるため下値を試す展開となり易い。その後は一旦、材料出尽くしから上値を試す可能性もあるが、人民元が上値を試すには力不足で、買戻しがあっても小幅かつ一時的だろう。
[ 11月の動き ]
なお、10月末には基準値と市場実勢が0.5%も乖離し、市場では“基準値と市場実勢の大幅乖離が復活するのでは?”との懸念が浮上していたが、その乖離は一時的なものに終わり、11月初旬には解消することとなった(図表-2)。
[ 今後の展開 ]
12月前半は下値(1米国ドル=6.45元)を試す展開となり易いだろう。米国では12月中旬に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。そこで、利上げを決定するとの予想が有力となっており、米国ドルへの資金回帰が起きて新興国通貨は弱含むと見られるからである。その後、12月後半になると人民元は上値(1米国ドル=6.35元)を試す展開になる可能性がある。市場では米利上げを既にだいぶ織り込んでいると見られることから、事前の予想通りに利上げが決定されれば、材料出尽くしからポジション調整の利食い売りが優勢となって、人民元を含む新興国通貨に買戻しの動きがでてくるかもしれないからである。但し、その買戻しの動きは小幅かつ一時的に終わるだろう。というのは、中国で12月1日に発表されたPMIは製造業・非製造業ともに冴えない内容で、人民元が上値を試すには力不足だと考えられるからである(図表-5)。
なお、来年10月から人民元がSDRの構成通貨に加わることになったが、当面の相場への影響は小さいと見ている。
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三尾 幸吉郎
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(2015年12月02日「経済・金融フラッシュ」)
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