- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 日本経済 >
- 巻き起こる格差議論~ピケティ「21世紀の資本」の意味~
■要旨
フランスの経済学者トマ・ピケティが出版した「21世紀の資本」が注目を集めている。この本の指摘で格差問題に気がついたというよりは、人々が感じていた格差拡大のメカニズムについての仮説を提示したことが注目を浴びた原因ではないか。ただし、保有資産の格差が所得の格差を生み、それがさらに資産の格差を拡大させるという格差拡大のメカニズムは、アメリカや日本については必ずしも主要因とは言えないと考える。
ピケティが提起したより重要な問題は、これまでの経済学の思想では、現実の経済にある様々な欠陥を取り除いて行けば社会は平等になると考えていたが、むしろ不平等が拡大するのを加速するかも知れないという点ではないか。所得格差のない社会が理想的とは思えないが、著しい格差は社会を不安定にするおそれがあり、格差の固定が閉塞感を生むことは否めない。格差の議論は今後も人々の注目を集めるだろう。
櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)
研究・専門分野
(2015年02月13日「基礎研レポート」)
関連レポート
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月15日
国内株式の逆張り投資は健在~2024年4月の投信動向~ -
2024年05月15日
Investors Trading Trends in Japanese Stock Market:An Analysis for April 2024 -
2024年05月15日
英国雇用関連統計(24年4月)-賃金上昇圧力は根強い -
2024年05月14日
インド消費者物価(24年4月)~4月のCPI上昇率は僅かに低下、11カ月ぶりの水準に -
2024年05月14日
ダチョウとミーアキャットの間-好ましくない情報にはどう対処する?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【巻き起こる格差議論~ピケティ「21世紀の資本」の意味~】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
巻き起こる格差議論~ピケティ「21世紀の資本」の意味~のレポート Topへ