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- 中国経済見通し:中国の“明るい成長鈍化”とリスクの所在
- 中国では、1-3月期の実質成長率が前年同期比7.7%増と前四半期の伸びを下回るなど成長率には下ぶれ懸念がある。但し、成長鈍化にも拘わらず、雇用は安定しており、景況感にも深刻な打撃が見られないことから、今までのところ暗さの無い“明るい成長鈍化”といえるだろう。
- 輸出は、今年1-4月期に前年同期比17.4%増と昨年の同7.9%増から大きく伸びを高めた。今後は、海外経済が最悪期を脱することで、輸出の伸びは高まる方向と予想しているものの、欧米経済の回復ピッチは緩やかと見ていることから、改善は小幅に留まるだろう。
- 消費は、今年1-4月期の小売売上高が前年同期比12.5%増と昨年の伸びを下回るなど冴えない。腐敗汚職撲滅を目指す一連の動きは、短期的には消費にマイナスだが、長い目で見るとプラスで、今年の消費は停滞気味となるものの来年以降は徐々に増加ピッチを高めると予想する。
- 投資は、今年1-4月期の固定資産投資が前年同期比20.6%増と昨年と同程度の伸びを維持している。今後は、環境インフラ関連や消費流通関連の伸びは高まるものの、不動産関連の高い伸びは一時的で、製造業の増産投資の鈍化を主因に全体の伸びは鈍化傾向と見ている。
- 消費者物価は、4月に前年同月比2.4%上昇と落ち着いているものの、賃金上昇を背景としたサービス価格の上昇は続いている。また、住宅価格は上昇ピッチを速めており、既に打ち出した不動産規制強化が効かないようだと、もう一段強化される可能性もあるので注意が必要。
- 今後の見通しは、2013年前年比7.8%増、2014年同7.9%増、2015年同7.7%増としている。
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三尾 幸吉郎
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(2013年05月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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