- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 一旦止まった円安の行方~マーケット・カルテ5 月号
円・ドルレートは2月半ば以降急速に円安ドル高に動いたのち方向感を欠き、1ドル81円前後での一進一退となっている。2月以降の円安は欧州危機の緊張緩和、堅調な米経済、日本の貿易赤字化などの円安マグマが溜まっていたタイミングでの日銀金融緩和が効いた形だが、むしろ特殊事例だ。今後は基本線に立ち戻り、日米金利差が為替の方向性を決めるはず。米景気は回復傾向を示しているが、3月雇用統計の減速にみられるように当面は緩やかな回復に留まる。FRBも低金利の長期継続を表明しており、米金利は上がりにくい。従って、円・ドルは当面横ばい圏を予想。その後は米景気が徐々に明るさを増し、金利差も多少拡大することで、半年後はやや円安ドル高になるとみる。
ユーロについては、危機対応は進んできたが、危機の本質である南欧の財政赤字が解決したわけではない。今後も緊迫化しやすい状態が続く。実体経済面でもユーロ圏経済の低迷は顕著だ。従って、当面ユーロは弱含みを予想。その後はリスク回避の巻き戻しで円に下落圧力が加わることから、半年後には現在と同程度になるとみる。
長期金利については、依然世界経済の下ぶれリスクが大きい中、金融機関の金余り構造もあり、基本的には低位安定が予想されるが、半年後は米金利の緩やかな上昇に伴って若干上昇するだろう。ただし、国内で山場を迎える財政健全化論議にて消費税棚上げのような事態となれば、財政懸念に伴う悪い金利上昇局面もあり得る。
このレポートの関連カテゴリ
03-3512-1870
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年05月09日
フィリピン経済:24年1-3月期の成長率は前年同期比5.7%増~財輸出が回復して成長率が小幅に上昇 -
2024年05月09日
2024年4月、グローバル株式市場は反落 -
2024年05月09日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その5)-サイクロイド(その性質等)- -
2024年05月09日
「新築マンション価格指数」でみる東京23区のマンション市場動向【2023年】(2)~コロナ禍以降、「駅近」志向が高まる一方、「住居の広さ」と「中心部までのアクセス」への評価は揺り戻しの動きも -
2024年05月09日
基礎研REPORT(冊子版)5月号[vol.326]
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
-
2023年07月03日
News Release
【一旦止まった円安の行方~マーケット・カルテ5 月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
一旦止まった円安の行方~マーケット・カルテ5 月号のレポート Topへ