2025年01月08日

期待されるスチュワードシップ活動

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国内の株式市場は過去10年間で大きく上昇した。チャイナ・ショックや地政学リスクの高まり、コロナ禍などの難局を乗り越え、大幅な株価上昇を遂げた背景には、スチュワードシップ責任を果たそうとする機関投資家のスタンスの変化もある。
 
その変化を推進してきた「『責任ある機関投資家』の諸原則」は今年、2014年の策定から3回目となる改訂が予定されているが、実効性向上に向けては、確定給付企業年金(以下、DB)が果たす役割への期待も大きくなりつつある。
 
昨年8月、「スチュワードシップ活動の実施」を含むアセットオーナーの資産運用に係る共通の原則「アセットオーナー・プリンシプル」が策定されたが、受け入れ対象にはDBも組み込まれており、改正が予定されている「DB資産運用ガイドライン」には、協働エンゲージメントへの参画やアセットオーナー・プリンシプルの受入れを奨励する記述が盛り込まれる方向となっている。
 
投資先企業の企業価値向上は、自らの年金財政の持続可能性を高めることにも繋がるだけに、DBの資産運用においては、これまで以上にスチュワードシップ責任が問われることになる。より多くのDBによって積極的な取り組みが実施されることが望まれる。

(2025年01月08日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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