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2024年08月19日
ドイツの生命保険監督を巡る動向(2)-BaFinの2023年Annual ReportやGDVの公表資料からの抜粋報告(生命保険会社等の監督及び業績等の状況)-
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3|新契約の商品別状況
2023年度の新契約においては、年金及び年金保険が引き続き最大のウェイトを占め、次いで就業不能保険となった12。
・年金及び年金保険:2,884百万ユーロ(保険料のシェア71.2%、対前年2.2%増加)
・その内訳としては、保証付混合型商品として加入された年金及び年金保険:1,784百万ユーロ(シェア44.0%、対前年3.9%増加)、伝統的な年金保険:241百万ユーロ(シェア 6.0%、対前年7.8%減少)、ユニットリンク型年金保険:859百万ユーロ(シェア21.2%、対前年2.0%増加)
・就業不能保険:459百万ユーロ(シェア11.3%、対前年11.7%増加)
・リスク保険(定期保険等):187百万ユーロ(シェア4.6%、対前年7.4%減少)
・養老保険(伝統的):157百万ユーロ(シェア3.9%、対前年8.2%増加)
2023年度の新契約においては、年金及び年金保険が引き続き最大のウェイトを占め、次いで就業不能保険となった12。
・年金及び年金保険:2,884百万ユーロ(保険料のシェア71.2%、対前年2.2%増加)
・その内訳としては、保証付混合型商品として加入された年金及び年金保険:1,784百万ユーロ(シェア44.0%、対前年3.9%増加)、伝統的な年金保険:241百万ユーロ(シェア 6.0%、対前年7.8%減少)、ユニットリンク型年金保険:859百万ユーロ(シェア21.2%、対前年2.0%増加)
・就業不能保険:459百万ユーロ(シェア11.3%、対前年11.7%増加)
・リスク保険(定期保険等):187百万ユーロ(シェア4.6%、対前年7.4%減少)
・養老保険(伝統的):157百万ユーロ(シェア3.9%、対前年8.2%増加)
12 ここでの「新契約」としては、GDVの資料の「Eingelöste Versicherungsscheine」の数値を使用している。
6―まとめ
以上、今回のレポートでは、BaFinの2023年のAnnual Reportの「I.スポットライト」の「2-1.リスク分類と(その他の)検査」及び「II.企業の監督」の「2.保険会社及び年金基金」等及びGDV(ドイツ保険協会)の公表資料等に基づいて、ドイツの生命保険会社等の監督及び業績等の状況について報告してきた。
ドイツの生命保険会社は、長引く低金利環境下で、これまでZZRの積立や新契約の保証利率の引き下げ、さらには保障性商品や固定保証利率を有さない商品へのシフトを進めることにより、健全性維持のために着実な対応を進めてきた。ただし、2022年以降の金利の急激な反転により、最近は資産の含み損の発生や解約の増加懸念等の新たなリスクへの対応が求められる状況になってきていた。金利の上昇は基本的には生命保険会社にとって望ましいものと考えられており、これまでのところ、金利上昇に伴う流動性リスク等の懸念事項についても大きな問題とはなっていないようだ。ただし、生命保険業界を巡る状況については、各種の課題への対応と併せて、引き続き注目されるところとなっている。
ドイツの生命保険会社を巡る状況に関しては、日本の生命保険業界関係者にとっても極めて関心の高い事項であることから、その監督や業績等を巡る動向については、今後とも引き続き注視していくこととしたい。
ドイツの生命保険会社は、長引く低金利環境下で、これまでZZRの積立や新契約の保証利率の引き下げ、さらには保障性商品や固定保証利率を有さない商品へのシフトを進めることにより、健全性維持のために着実な対応を進めてきた。ただし、2022年以降の金利の急激な反転により、最近は資産の含み損の発生や解約の増加懸念等の新たなリスクへの対応が求められる状況になってきていた。金利の上昇は基本的には生命保険会社にとって望ましいものと考えられており、これまでのところ、金利上昇に伴う流動性リスク等の懸念事項についても大きな問題とはなっていないようだ。ただし、生命保険業界を巡る状況については、各種の課題への対応と併せて、引き続き注目されるところとなっている。
ドイツの生命保険会社を巡る状況に関しては、日本の生命保険業界関係者にとっても極めて関心の高い事項であることから、その監督や業績等を巡る動向については、今後とも引き続き注視していくこととしたい。
(2024年08月19日「保険・年金フォーカス」)
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