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2024年08月05日
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7月3日に開催された社会保障審議会年金部会に今回の公的年金の財政検証結果が報告された。出生率などにやや楽観的な前提が設定されているように見えるし、近年の運用成果を反映して良好な運用利回りを想定しているようにも見えるが、目標の所得代替率50%を確保し、現在の年金制度を維持可能な結果になっている。
ここ数回の財政検証においては、所得代替率の確保だけではなく、どのようなオプション試算を行ったかに注目が集まっている。即ち、現在の仕組みをどのように変更したら、所得代替率の引上げに繋がるかという検討であり、これまでもオプション試算の行われた取組みが、後に公的年金制度で導入されたものも少なくない。
今回の検証でオプション試算が報告されたのは、(1)被用者保険の更なる適用拡大、(2)基礎年金の拠出期間延長・給付増額、(3)マクロ経済スライドの調整期間の一致、(4)在職老齢年金制度、(5)標準報酬月額の上限、という5項目であった。このうち、(2)は65歳までの国民年金保険料納付に対する強い反発があり、すぐの実施を見送る方針が示されている。(1)についても非正規雇用者と雇用主の反発は不可避であるが、同一労働同一賃金の原則や本来負担すべき保険料を双方が免除されていると考えれば、速やかな実施が望まれる。段階的に企業規模要件や人数要件を外して行き、最終的には所定労働時間要件を満たす全ての被用者に適用すべきだろう。
ここ数回の財政検証においては、所得代替率の確保だけではなく、どのようなオプション試算を行ったかに注目が集まっている。即ち、現在の仕組みをどのように変更したら、所得代替率の引上げに繋がるかという検討であり、これまでもオプション試算の行われた取組みが、後に公的年金制度で導入されたものも少なくない。
今回の検証でオプション試算が報告されたのは、(1)被用者保険の更なる適用拡大、(2)基礎年金の拠出期間延長・給付増額、(3)マクロ経済スライドの調整期間の一致、(4)在職老齢年金制度、(5)標準報酬月額の上限、という5項目であった。このうち、(2)は65歳までの国民年金保険料納付に対する強い反発があり、すぐの実施を見送る方針が示されている。(1)についても非正規雇用者と雇用主の反発は不可避であるが、同一労働同一賃金の原則や本来負担すべき保険料を双方が免除されていると考えれば、速やかな実施が望まれる。段階的に企業規模要件や人数要件を外して行き、最終的には所定労働時間要件を満たす全ての被用者に適用すべきだろう。
(2024年08月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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