2024年07月03日

個人の投資定着には国内経済の成長が不可欠

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確定拠出年金で投資信託の資産残高に占める割合が高まっている。運営管理機関連絡協議会の統計資料によれば、2020年3月時点で47.8%であった企業型と個人型を合わせた投資信託の割合は、2023年3月時点には60.7%まで13%近く上昇している。
 
株高や円安に伴う時価残高の増加によって投資信託の割合が押し上げられている面はあるものの、企業型DCの掛金額に占める投資信託への配分割合が増加していることを示す企業年金連合会の実態調査を踏まえると、DC加入者の商品選好は変わりつつあると捉えられる。
 
その原動力となっているのは持続的な株高だろう。ここ数年、DC専用投信においては、株式型投資信託への資金流入が増加しており、そのペースはDC全体の掛金増加ペースを上回っている。株高を背景とする株式型投資信託への配分を増やす動きが、投資信託の割合増加をけん引していると見ることができる。
 
ただし、外国株式型への選好が際立つ足元の状況には危うさもある。国内への投資が増えないと成長と分配の好循環は成立しにくい。投資のすそ野を拡大し、定着を図る上では、国内に投資する魅力を高めることが欠かせない。各種政策の実効性が期待される。
 

(2024年07月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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