- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 企業年金 >
- 官邸のWプランに頭を悩ませる厚労省
2024年06月05日
2024年3月28日に、社会保障審議会 企業年金・個人年金部会が中間整理を取りまとめた。同月末が法律上の期限となっていた存続厚生年金基金に関する検討の結果に加えて、次期改革の論点に対する委員の意見が列記された。
次期改革では、官邸が決定した「資産所得倍増プラン」と「資産運用立国実現プラン」への具体的な対応策が注目される。しかし中間整理には、官邸の方針への反対を匂わせる意見が散見される。
特に厄介なのは、iDeCoの加入可能年齢だ。官邸のプランが「70歳に引き上げる」と断言しているのに対して、企業年金・個人年金部会の中間整理には「国民年金を受給しながらiDeCoにも拠出できる人まで範囲を広げなくてもよいのではないか」などの消極的な意見が見られる。
中間整理には載っていないが、改革のコストも課題である。加入対象者の変更だけでもシステム改修が必要で、受給中か繰下げ中かの確認には手間も掛かる。官邸の決定だからといって官邸が財源を用意するはずもなく、利用者の手数料引上げも視野に入る。この混沌からどう抜け出すか、厚労省の舵取りを見守りたい。
次期改革では、官邸が決定した「資産所得倍増プラン」と「資産運用立国実現プラン」への具体的な対応策が注目される。しかし中間整理には、官邸の方針への反対を匂わせる意見が散見される。
特に厄介なのは、iDeCoの加入可能年齢だ。官邸のプランが「70歳に引き上げる」と断言しているのに対して、企業年金・個人年金部会の中間整理には「国民年金を受給しながらiDeCoにも拠出できる人まで範囲を広げなくてもよいのではないか」などの消極的な意見が見られる。
中間整理には載っていないが、改革のコストも課題である。加入対象者の変更だけでもシステム改修が必要で、受給中か繰下げ中かの確認には手間も掛かる。官邸の決定だからといって官邸が財源を用意するはずもなく、利用者の手数料引上げも視野に入る。この混沌からどう抜け出すか、厚労省の舵取りを見守りたい。
(2024年06月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年10月24日
24年9月末時点の経過措置適用企業の進捗状況~経過措置の適用は2025年3月から順次終了~ -
2024年10月23日
円安再燃、1ドル160円に逆戻りするリスクは?~マーケット・カルテ11月号 -
2024年10月23日
IMF世界経済見通し-ディスインフレは順調に進むが、下振れリスクも -
2024年10月23日
中国経済:24年7~9月期の評価-小幅減速にとどまるも内需悪化には歯止めがかからず、見かけよりも厳しい状況 -
2024年10月23日
大学卒女性の働き方別生涯賃金の推計(令和5年調査より)-正社員で2人出産・育休・時短で2億円超、男性並で3億円超
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【官邸のWプランに頭を悩ませる厚労省】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
官邸のWプランに頭を悩ませる厚労省のレポート Topへ