2024年03月05日

金融経済教育推進機構への期待

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大企業を中心に賃上げ機運が高まり、2024年春闘で昨年の賃上げ率3.60%を上回ることが予想される中、日銀によるマイナス金利政策が早晩、解除されるとの見方が強まっている。およそ17年ぶりとなる実質的な利上げが実施されることになれば、デフレからの完全脱却が近づいていることを印象付けることになる。
 
デフレからの脱却は、個人の資産形成のあり方にも大きく影響を及ぼす。デフレ環境においては問題とされていなかった預金などの元本確保型商品では、実質価値を毀損する恐れがあるためだ。特に、高齢期に向けた資産形成においては、相応の老後生活の確保につながる「貯蓄から投資へ」のシフトが急務と言える。
 
こうした中、インフレを考慮した資産形成を促す上で重要な役割を担うのが、4月設立が予定される金融経済教育推進機構である。資産所得倍増プランの柱の一つとして掲げられ、幅広い年齢層向けに各々のニーズに応えた金融経済教育の機会を提供することで、金融リテラシーの底上げを図ることが主たるミッションである。
 
多くの国民が持続的なインフレ下においても資産の実質価値を積み上げられるよう、関係機関の協力を得ながら、個人の資産形成における行動変容を大胆に促す取組が期待される。

 
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(2024年03月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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