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これからの時代の責任投資-PRI in Person 2022バルセロナ大会の模様-
日本生命保険相互会社 木村 武*、高瀬俊史、德重亨、林宏樹、三木さやか
* PRI(国連責任投資原則)理事
- エネルギー危機や反ESGといった逆風はあるが、ESGの主流化は続く。上場株や債券から、PE・プライベートデット・不動産といったプライベート物へとESGの裾野は着実に拡がっている。ESGを取り巻く環境は複雑になっているが、短期志向ではなく長期志向という軸をぶらさないことが重要。
- 気候変動、人権、生物多様性の優先課題に対して、実社会への具体的なアウトカム形成に向けて、投資家はより能動的・主体的な行動が求められる。投資家一人では限界があるため、投資家間の協働エンゲージメント、そして、投資家だけでは限界があるため、政府や政策当局へのエンゲージメントがより重要になっている。受益者のサステナビリティやESGに対する選好・ニーズの確認のための受益者エンゲージメントの重要性も増している。
- (一部の)先進国の投資アプローチを画一的に新興国など他地域に当てはめようとすれば、公正な移行を阻害し、米国以外でも反ESGの動きが出かねない。投資家は野心的でなければならないが、同時に、地域性を考慮することも重要。
- トランジション・ファイナンスに関する解釈には、日本と欧州とでは溝があるように窺われる。
- ESGいずれの優先課題においても、データ問題(質改善、データ不足解消)は喫緊の課題。企業の情報開示や規制当局への働きかけは急務。一方、完璧なデータが登場するまで待つことはできず、割り切り(試行錯誤しながらまずは始めること)も必要。
■目次
1―― PRI in a Changing World
2―― Be Ambitious
3―― Priority Issues
3.1. ネットゼロに向けたトランジション
3.2. 人権
3.3. 生物多様性
4―― Data Problem
5―― Enhancing Engagement
5.1. 投資先企業へのエンゲージメント
5.2. 政策当局へのエンゲージメント
5.3. 受益者へのエンゲージメント
6―― 最後に
日本生命保険相互会社 木村 武*、高瀬俊史、德重亨、林宏樹、三木さやか
* PRI(国連責任投資原則)理事
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