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この10年で厚生年金加入者は577万人増、国民年金(1号・3号計)は700万人減~年金改革ウォッチ 2022年4月号

保険研究部 主席研究員・年金総合リサーチセンター 公的年金調査部長 兼任 中嶋 邦夫
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1 ―― 先月までの動き
○社会保障教育モデル授業等に関する検討会
3月4日(第4回) 社会保障教育モデル授業指導者用マニュアル(案)等、意見交換、その他
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24240.html (資料)
○年金広報検討会
3月11日(第15回) 年金広報計画、令和の年金広報コンテスト、個々人の年金の「見える化」のための取組、ISSA Good Practice Awardにおける年金広報活動の受賞、他
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212815_00029.html (資料)
○社会保障審議会 年金数理部会
3月28日(第92回) 公的年金財政状況報告-令和2年度-、その他
URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198131_00022.html (資料
2 ―― ポイント解説:公的年金加入者の構成の変化

2|年齢・世代別:60代で厚生年金加入者が増加
年齢層別に見ると、いわゆる団塊世代や団塊ジュニア世代の影響以外では、60代での厚生年金の増加が注目される。10年前と比べて、60~64歳で54万人、65歳以上では91万人増加しており、法改正に伴い高齢者雇用が進展した様子が見て取れる。
20代での厚生年金の増加も注目される。10年前と比べ、人数の増加は少子化の影響で小幅だが、20代前半では大学進学率が上昇した一方で、厚生年金加入者の比率が38%から44%へ上昇した。20代後半でも63%から75%へと上昇し、他方で国民年金第1号被保険者は27%から19%へ低下した。
また、世代別に見ると、1951~55年度生まれでは50代になると厚生年金加入者が減っていたが、1961~65年度生まれでは逆に微増している。
3|課題:国民年金第1号となっている被用者を考慮した制度改正
このように厚生年金加入者は増加傾向だが、勤務先が厚生年金の強制適用対象でない個人事業所であるために*1、国民年金第1号被保険者となっている会社員(被用者)も存在する。
短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大は対象企業規模の段階的な拡大で進む予定だが、個人事業所の適用拡大は進展の気配がない。強制適用の対象となる業種の拡大は士業にとどまり、従業員規模の拡大は具体的な検討課題にすら挙がっていない*2。次期改正では、厚生年金の適用拡大の推進と同時に、適用拡大後も国民年金第1号被保険者となる被用者を考慮した議論を期待したい。
*1 現行の厚生年金の強制適用対象は、すべての法人事業所と、対象業種で従業員が常時5人以上いる個人事業所。
*2 「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」における議論のとりまとめ(2019.09.20)、pp.45-46。
(2022年04月05日「保険・年金フォーカス」)
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03-3512-1859
- 【職歴】
1995年 日本生命保険相互会社入社
2001年 日本経済研究センター(委託研究生)
2002年 ニッセイ基礎研究所(現在に至る)
(2007年 東洋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了)
【社外委員等】
・厚生労働省 年金局 年金調査員 (2010~2011年度)
・参議院 厚生労働委員会調査室 客員調査員 (2011~2012年度)
・厚生労働省 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会 委員 (2011年度)
・生命保険経営学会 編集委員 (2014年~)
・国家公務員共済組合連合会 資産運用委員会 委員 (2023年度~)
【加入団体等】
・生活経済学会、日本財政学会、ほか
・博士(経済学)
中嶋 邦夫のレポート
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