2020年10月05日

不確実性に備える慎重さも必要

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、株式市場は2月から3月にかけて、時価総額の約3割を失うという事態に見舞われた。しかし新年度に入ると一転、株式市場は予想を上回るペースで値を戻す展開となった。

この結果、昨年度はマイナスだったDBの平均的な運用利回りは、昨年3月から9月上旬までの約1年5カ月で年率3%を超えるまでに回復。コロナ禍にあって、平均的な予定利率を上回るペースで運用収益を獲得するまでに至ったと見られる。

しかし、先行きは依然として予断は許さない。北半球に新型コロナウイルスの感染力が強まるとされる秋冬が到来し、再び社会経済活動が厳しく制限されかねないためだ。

主要国の10 年国債金利が軒並み1%を割り込んでおり、債券にリスクオフ時の保険機能を期待することが難しくなっていることも踏まえると、リスクを伴う利回り追求の自重も検討すべきだ。

不確実性が大きい市場環境から抜け出せない中、今後のDB運用においては、リスク源泉の適切な分散を確認しつつ、中長期的な観点から目標利回りを追求する慎重さも必要となろう。
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(2020年10月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)

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