2020年06月08日

中国生保市場、緩やかに回復-高い医療保障需要

保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任 片山 ゆき

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■要旨

新型コロナによって一時的に冷え込んでいた中国の生保市場が緩やかに回復している。牽引しているのは、健康保険である。健康保険は新型コロナによる一時的な需要の高まりもあるものの、直近5年間の状況からもこれまでもと同様の高いニーズを維持している。
 
また、新型コロナによって、民間保険が普及していない小規模都市居住者の加入が急増する傾向も見られた。特徴としては、保険加入の最初の窓口が、低額で加入が可能なP2P互助や寄付型クラウドファンディングからのアップセルも見られた点である。
 
中国当局は、保険商品を社会の安定に寄与するものとして位置付けている。今回の新型コロナでは、保険会社や保険商品が果たす社会的な役割・機能が国民に広く再認識され、それが販売回復に寄与している点も考えらえる。

■目次

1――医療保障の需要は新型コロナ以前の高水準を維持。
  健康保険の収入保険料は前年同期比2割増。
2――保険未加入者の加入意識が向上。
  P2P互助や寄付型クラウドファンディングからのアップセルも。
3――保険商品はそのリスク保障機能で、社会の安定に寄与するもの。
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保険研究部   主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター兼任

片山 ゆき (かたやま ゆき)

研究・専門分野
中国の社会保障制度・民間保険

経歴
  • 【職歴】
     2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
     (2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
     ・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
     (2019年度・2020年度・2023年度)
     ・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
     ・千葉大学客員准教授(2023年度~) 【加入団体等】
     日本保険学会、社会政策学会、他
     博士(学術)

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