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2020年05月14日
貸出・マネタリー統計(20年4月)~新型コロナ対応で銀行貸出が大幅に加速
03-3512-1870
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1.貸出動向:前年差は4.6兆円拡大
業態別の伸び率を見ると、都銀が前年比3.40%(前月は1.97%)、地銀(第2地銀を含む)が同2.92%(前月は2.37%)とともに大きく上昇したが、とりわけ都銀等の伸び率拡大が鮮明になっている(図表2)。都銀が得意とする大企業向けで大口の融資が実行されたためとみられる。また、これまで大企業を中心に広がってきたコミットメントライン(融資枠)の未利用額が3月末時点で32兆円あり、この引き出しが進んだことも一因と考えられる。
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う企業の資金繰り悪化を受けて、政府は銀行に対して企業の資金繰りを支援するよう要請している。また、5月からは経済対策の一環として、民間金融機関での無利子・無担保融資制度が開始されたことから、5月以降も貸出増加ペースの加速が見込まれる。
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う企業の資金繰り悪化を受けて、政府は銀行に対して企業の資金繰りを支援するよう要請している。また、5月からは経済対策の一環として、民間金融機関での無利子・無担保融資制度が開始されたことから、5月以降も貸出増加ペースの加速が見込まれる。
(主要銀行貸出動向アンケート調査)
日銀が4月21日に発表した主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、2020年1-3月期の(銀行から見た)企業の資金需要増減を示す企業向け資金需要判断D.I.は14と前回(2019年10-12月期)の2から大幅に上昇した。D.I.の水準はリーマンショック直後にあたる2008年10-12月期の43以来の高水準。新型コロナの感染拡大に伴う資金繰りの急激な悪化によって、企業の資金需要が大幅に高まった(図表5)。
企業規模別では、大企業向けが6(前回は1)、中小企業向けが13(前回は1)とともに上昇したが、特に中小企業向けの上昇が顕著になっている(図表6)。需要が「(やや)増加」とした先にその要因を尋ねた問いでは、「資金繰りの悪化」、「手許資金の積み増し」を挙げた先が多かった。
一方、個人向け資金需要判断D.I.は▲7と、前回の▲11から上昇はしたものの、引き続きマイナス圏((やや)減少とした先が優勢な状態)に留まった(図表5)。主力の住宅ローンが▲8(前回も同じ)、消費者ローンも▲8(前回は▲7)とともにマイナス圏に留まった。住宅ローン需要が「(やや)減少」とした先にその要因を尋ねた問いでは、「住宅投資の減少」を挙げた先が最も多かった。
今後3ヵ月の資金需要については、企業向けD.I.が46とさらに急上昇しており、上記の過去最高を更新するとの見立てになっている。銀行は、資金繰り悪化を受けた急激な資金需要増加を見込んでいる。
その反面、個人向けD.I.は▲19とマイナス幅が大きく拡大しており、景気悪化や外出自粛を受けた家計の資金需要減少が見込まれている(図表5)。
日銀が4月21日に発表した主要銀行貸出動向アンケート調査によれば、2020年1-3月期の(銀行から見た)企業の資金需要増減を示す企業向け資金需要判断D.I.は14と前回(2019年10-12月期)の2から大幅に上昇した。D.I.の水準はリーマンショック直後にあたる2008年10-12月期の43以来の高水準。新型コロナの感染拡大に伴う資金繰りの急激な悪化によって、企業の資金需要が大幅に高まった(図表5)。
企業規模別では、大企業向けが6(前回は1)、中小企業向けが13(前回は1)とともに上昇したが、特に中小企業向けの上昇が顕著になっている(図表6)。需要が「(やや)増加」とした先にその要因を尋ねた問いでは、「資金繰りの悪化」、「手許資金の積み増し」を挙げた先が多かった。
一方、個人向け資金需要判断D.I.は▲7と、前回の▲11から上昇はしたものの、引き続きマイナス圏((やや)減少とした先が優勢な状態)に留まった(図表5)。主力の住宅ローンが▲8(前回も同じ)、消費者ローンも▲8(前回は▲7)とともにマイナス圏に留まった。住宅ローン需要が「(やや)減少」とした先にその要因を尋ねた問いでは、「住宅投資の減少」を挙げた先が最も多かった。
今後3ヵ月の資金需要については、企業向けD.I.が46とさらに急上昇しており、上記の過去最高を更新するとの見立てになっている。銀行は、資金繰り悪化を受けた急激な資金需要増加を見込んでいる。
その反面、個人向けD.I.は▲19とマイナス幅が大きく拡大しており、景気悪化や外出自粛を受けた家計の資金需要減少が見込まれている(図表5)。
2.マネタリーベース: 日銀の資金供給拡大にもかかわらず鈍化
5月7日に発表された4月のマネタリーベースによると、日銀による通貨供給量(日銀当座預金+市中に流通する紙幣・貨幣)を示すマネタリーベースの前年比伸び率(平残)は2.3%と、前月(同2.8%)を下回った(図表7)。新型コロナの感染拡大に伴う経済活動の鈍化やキャッシュレス化の進展の影響とみられるが、日銀券(紙幣)発行高、貨幣流通高の伸びが低下したうえ、マネタリーベース全体の約8割を占める日銀当座預金の伸び率も前年比2.5%(前月は3.0%)と低下したことが響いた(図表7)。
なお、4月末時点のマネタリーベース残高は529兆円と前月末比で19.3兆円増加しているが、季節性を除外した季節調整済み系列(平残)で見ると、前月比3.0兆円減に留まっている(図表8)。
日銀は3月以降、流動性供給拡大のために国債の買い入れを活発化しているほか(図表10)、ETFの買入れ増額や新たな資金供給オペを開始しており、それぞれマネタリーベースの増加に寄与しているものの、マネタリーベースの増勢を加速させるまでには至っていない。
なお、4月末時点のマネタリーベース残高は529兆円と前月末比で19.3兆円増加しているが、季節性を除外した季節調整済み系列(平残)で見ると、前月比3.0兆円減に留まっている(図表8)。
日銀は3月以降、流動性供給拡大のために国債の買い入れを活発化しているほか(図表10)、ETFの買入れ増額や新たな資金供給オペを開始しており、それぞれマネタリーベースの増加に寄与しているものの、マネタリーベースの増勢を加速させるまでには至っていない。
なお、広義流動性(M3に投信や外債といったリスク性資産等を加算した概念)の伸び率は前年比2.69%(前月は2.74%)と若干低下した(図表11)。内訳では、既述の通り、M3の伸び率が大きく上昇したものの、投資信託(私募やREITなども含む元本ベース前月5.6%→当月2.1%)、金銭の信託(前月2.9%→当月2.1%)、金融債(前月▲9.3%→当月▲10.9%)等の伸び率が低下した影響が上回った(図表13)。
マネーストック全体では、新型コロナウィルスの感染拡大とそれに伴う経済活動の大幅な減速を受けて、引き続きリスク性資産への資金流入が鈍化し、流動性の高い普通預金へのシフトが進んだ形になっている。
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(2020年05月14日「経済・金融フラッシュ」)
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