- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 社会保障制度 >
- 医療保険制度 >
- 策定から2年が過ぎた地域医療構想の現状を考える(下)-都道府県の情報開示・情報共有を中心に
策定から2年が過ぎた地域医療構想の現状を考える(下)-都道府県の情報開示・情報共有を中心に

保険研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 三原 岳
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
都道府県が医療提供体制改革を目指す「地域医療構想」を策定し、2年が過ぎた。地域医療構想は、人口的にボリュームが大きい団塊の世代が75歳を迎える2025年に向けて、過剰な病床の適正化や切れ目のない提供体制の構築を図ることを目指しており、都道府県を中心に地域の関係者が合意形成しつつ、改革を進めることを想定している。(上)では2年間の動向として、公立・公的医療機関の役割を縮小する動きが強まっている点を確認するとともに、公立・公的医療機関のウエイトには地域差が見られるため、その方法だけでは全ての地域に対応し切れない点を確認した。
(下)では地域医療構想を進める際の大前提として、地域の関係者が合意形成する重要性を確認する。その上で、議論に用いられている資料や議事録に関する都道府県の情報開示・情報共有のスタンスを確認することで、そのスタンスが不十分である点を指摘する。
■目次
1――はじめに~地域医療構想の実現に不可欠な情報開示・情報共有~
2――合意形成の重要性
1|実効的な権限を有しない都道府県の限界
2|成否を決める関係者の合意形成
3|合意形成の最低限の基盤としての情報開示・情報共有
3――都道府県による情報開示・情報共有の検証
1|検証の方法
2|公開度合いの検証の結果(1)~調整会議に提出された資料~
3|公開度合いの検証の結果(2)~調整会議の議事録公開~
4|神奈川県、熊本県の好事例
5|積極的とは言えない都道府県のスタンス
4――不十分な情報開示・情報共有の事例
1|ウエブサイトから探しにくい議事録の事例
2|1~3行しか結果を公表していない「議事録」の事例
3|開催告知では「公開」なのに、情報を公開していない事例
4|統一感を欠く情報開示・情報共有の事例
5――不十分な情報開示・情報共有の問題点
6――おわりに
(2019年06月05日「基礎研レポート」)

03-3512-1798
- プロフィール
【職歴】
1995年4月~ 時事通信社
2011年4月~ 東京財団研究員
2017年10月~ ニッセイ基礎研究所
2023年7月から現職
【加入団体等】
・社会政策学会
・日本財政学会
・日本地方財政学会
・自治体学会
・日本ケアマネジメント学会
【講演等】
・経団連、経済同友会、日本商工会議所、財政制度等審議会、日本医師会、連合など多数
・藤田医科大学を中心とする厚生労働省の市町村人材育成プログラムの講師(2020年度~)
【主な著書・寄稿など】
・『必携自治体職員ハンドブック』公職研(2021年5月、共著)
・『地域医療は再生するか』医薬経済社(2020年11月)
・『医薬経済』に『現場が望む社会保障制度』を連載中(毎月)
・「障害者政策の変容と差別解消法の意義」「合理的配慮の考え方と決定過程」日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク編『トピック別 聴覚障害学生支援ガイド』(2017年3月、共著)
・「介護報酬複雑化の過程と問題点」『社会政策』(通巻第20号、2015年7月)ほか多数
三原 岳のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/04/10 | 異例ずくめの高額療養費の見直し論議を検証する-少数与党の下で二転三転、少子化対策の財源確保は今後も課題 | 三原 岳 | 基礎研レポート |
2025/04/08 | 政策形成の「L」と「R」で高額療養費の見直しを再考する-意思決定過程を検証し、問題の真の原因を探る | 三原 岳 | 基礎研マンスリー |
2025/03/19 | 孤独・孤立対策の推進で必要な手立ては?-自治体は既存の資源や仕組みの活用を、多様な場づくりに向けて民間の役割も重要に | 三原 岳 | 研究員の眼 |
2025/02/17 | 政策形成の「L」と「R」で高額療養費の見直しを再考する-意思決定過程を詳しく検討し、問題の真の原因を探る | 三原 岳 | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年05月01日
日本を米国車が走りまわる日-掃除機は「でかくてがさつ」から脱却- -
2025年05月01日
米個人所得・消費支出(25年3月)-個人消費(前月比)が上振れする一方、PCE価格指数(前月比)は総合、コアともに横這い -
2025年05月01日
米GDP(25年1-3月期)-前期比年率▲0.3%と22年1-3月期以来のマイナス、市場予想も下回る -
2025年05月01日
ユーロ圏GDP(2025年1-3月期)-前期比0.4%に加速 -
2025年04月30日
2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【策定から2年が過ぎた地域医療構想の現状を考える(下)-都道府県の情報開示・情報共有を中心に】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
策定から2年が過ぎた地域医療構想の現状を考える(下)-都道府県の情報開示・情報共有を中心にのレポート Topへ