- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- 運用における過去の思い込みを排する
2019年03月05日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
新年度の運用環境想定に関連して議論する場で、一部の参加者から金利が上昇した際に保有債券から生じる評価損に対して強い懸念が示された。足元は、日本銀行による強力な金融緩和によって金利水準全体が大きく低下しているため、今後、金利が低下するより上昇する方が、可能性は高いだろう。しかし、これから数年のタイムスパンで、金利が大きく上昇する局面は訪れるだろうか。
懸念を示した参加者が例に挙げたのは、第二次石油ショックの際の物価上昇と金利急騰局面であった。物価が上がれば、名目金利は上昇するという正常時における理論的主張であり、今秋に消費税率が引上げられたら、金利は上昇するという立論である。
しかし、2019年度に、正常な理論的過程を経て金利が上昇するとは考え難い。経済成長が低水準に留まる中で、物価水準は容易に上昇し得ない。異常な低金利が長く続く背景を考えると、過去とは異なる状況が生じていると見るべきではないか。
運用において過去の経験が役立つことは少なくないが、過去にのみ捉われて現実を直視しなければ、将来に向った適切な対応を取ることのできない可能性が高い。改めて虚心坦懐な眼と気持ちを持って、運用にあたることを肝に銘じておきたい。
懸念を示した参加者が例に挙げたのは、第二次石油ショックの際の物価上昇と金利急騰局面であった。物価が上がれば、名目金利は上昇するという正常時における理論的主張であり、今秋に消費税率が引上げられたら、金利は上昇するという立論である。
しかし、2019年度に、正常な理論的過程を経て金利が上昇するとは考え難い。経済成長が低水準に留まる中で、物価水準は容易に上昇し得ない。異常な低金利が長く続く背景を考えると、過去とは異なる状況が生じていると見るべきではないか。
運用において過去の経験が役立つことは少なくないが、過去にのみ捉われて現実を直視しなければ、将来に向った適切な対応を取ることのできない可能性が高い。改めて虚心坦懐な眼と気持ちを持って、運用にあたることを肝に銘じておきたい。
(2019年03月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年09月19日
日銀短観(9月調査)予測~大企業製造業の業況判断DIは2ポイント上昇の15と予想、物価関連項目に注目 -
2025年09月19日
消費者物価(全国25年8月)-コアCPIは9ヵ月ぶりの3%割れ、年末には2%程度まで鈍化する見通し -
2025年09月18日
米FOMC(25年9月)-市場予想通り、政策金利を▲0.25%引き下げ。政策金利見通しを下方修正 -
2025年09月18日
保険適用後の不妊治療をめぐる動向~ARTデータとNDBデータの比較 -
2025年09月18日
不動産投資市場動向(2025年上期)~日本市場の取引額は高水準を維持。グローバル市場は回復基調を辿るも依然低調
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【運用における過去の思い込みを排する】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
運用における過去の思い込みを排するのレポート Topへ