- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 年金 >
- 年金資産運用 >
- マイナス金利債券は投資に値しないのか
2019年02月05日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
金融緩和政策が続く中、国債利回りは低空飛行を続けている。10年債の利回りはゼロ近傍、残存7、8年でもマイナス利回りである。このため年金基金には、マイナス金利の債券は投資に値しないとして、長期ないし超長期の債券だけに投資する、あるいは当面、資産クラスとしての国内債券投資を見合わせる動きがあるという。
しかし、こうした行動には慎重な判断が求められる。まず期間の長い債券だけに投資すると、金利上昇時の損失が拡大する。利回りがマイナスになる度に売却するのでは売買コストも嵩む。
一方、国内債券という資産クラスへの投資の回避は、かえってポートフォリオ全体のリスクリターン効率の低下をもたらしうる。仮に債券の期待リターンがマイナスだとしても、内外株式など他の資産クラスと負の相関があれば、ポートフォリオ全体のリスクを下げる、リスクヘッジに似た効果が期待できるからである。
1830 年代の「ハーバード大学対エィモリー事件」以来、個々の証券投資の受託者責任上の適否については、その銘柄による損益よりも、ポートフォリオのリスクリターンにもたらす効果を考慮すべきとされてきた。債券という資産クラスの評価においても、この王道から外れる理由は見当たらないのではないか。
しかし、こうした行動には慎重な判断が求められる。まず期間の長い債券だけに投資すると、金利上昇時の損失が拡大する。利回りがマイナスになる度に売却するのでは売買コストも嵩む。
一方、国内債券という資産クラスへの投資の回避は、かえってポートフォリオ全体のリスクリターン効率の低下をもたらしうる。仮に債券の期待リターンがマイナスだとしても、内外株式など他の資産クラスと負の相関があれば、ポートフォリオ全体のリスクを下げる、リスクヘッジに似た効果が期待できるからである。
1830 年代の「ハーバード大学対エィモリー事件」以来、個々の証券投資の受託者責任上の適否については、その銘柄による損益よりも、ポートフォリオのリスクリターンにもたらす効果を考慮すべきとされてきた。債券という資産クラスの評価においても、この王道から外れる理由は見当たらないのではないか。
(2019年02月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年11月06日
世の中は人間よりも生成AIに寛大なのか? -
2025年11月06日
働く人の飲酒量とリスク認識:適正化に気づくのはどのような人か -
2025年11月06日
Meta、ByteDanceのDSA違反の可能性-欧州委員会による暫定的見解 -
2025年11月06日
財政赤字のリスクシナリオ -
2025年11月06日
老後の住宅資産の利活用について考える
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【マイナス金利債券は投資に値しないのか】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
マイナス金利債券は投資に値しないのかのレポート Topへ










