医療・ヘルスケア
2019年02月22日

加入している医療保険制度が破綻することはないの?

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■要旨

自分が加入している医療保険制度が破綻することはないのだろうか。仮に、破綻してしまったら、自分の医療保険のカバーはどうなってしまうのだろうか、というのは誰しもが不安に思うものです。

「破綻」という意味合いをどのように定義するのかにもよりますが、「制度を運営する保険者が、財政的に苦しい状態になって制度を継続できなくなり、制度を廃止し、保険者が解散する」という意味合いで考えるとすれば、個々の保険者ベースではこのような状況も十分に考えられることになります。

実際に、昨今は、健康保険組合が、財政的に苦しい状況から「解散」するというニュースを聞く機会が多くなっているのではないかと思われます。因みに、健康保険組合連合会が2018年4月に公表した資料によれば、2018年度決算で赤字となる健康保険組合は6割を超えると想定されており、こうした状況を踏まえて、今後も健康保険組合が「解散」するケースが増加してくることが懸念されることになっています。

以前に、日本の医療保険制度が、「大きくは被用者保険と地域保険という2本立てて構成された「国民皆保険」制度となっており、10の保険制度、3000を超える保険者から構成され、多数の制度や保険者が存在する複雑な制度となっている。」ということについて、基礎研レター「医療保険制度にはどんな種類があるの?」(2018.4.23)で説明しました。

これらの各種の医療保険制度については、その根拠となる法律が定められています。その中に制度によっては「解散」についての規定も存在しています。

以下では、このような「解散」の規定がある制度として、健康保険法における健康保険組合の例を中心に、どのような状況になったら「解散」になるのか、「解散」した場合にはどのような対応が行われることになるのか、また「解散」したら、その制度に加入していた被保険者(加入者)はどうなるのかについて説明します。


■目次

1―医療保険制度の破綻とは?
2―組合管掌健康保険組合(組合健保)の場合-組合の解散-
3―全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合
4―国民健康保険等の場合
5―まとめ
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中村 亮一

研究・専門分野

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【加入している医療保険制度が破綻することはないの?】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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