2019年02月18日

【タイGDP】10-12月期は前年同期比+3.7%増~民間部門の加速で3%台後半まで成長加速

経済研究部 准主任研究員 斉藤 誠

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供給項目別に見ると、製造業と観光関連のサービス業の回復が成長率上昇に繋がった(図表2)。

農林水産業は前年同期比1.4%増(前期:同2.7%増)と低下した。農業・林業(1.9%増)はコメやゴムや果物等の収穫が落ち込んで鈍化し、漁業(同2.5%減)は外需の鈍化で低迷した。

非農業部門では、まず製造業が同3.3%増(前期:同1.6%増)と、内外需の回復により上昇した。製造業の内訳を見ると、自動車やコンピューター・部品などの資本・技術関連産業(同3.3%増)、化学・同製品やゴム・プラスチック製品などの素材関連(同0.3%減)がそれぞれ低下したが、食料・飲料や宝飾品などの軽工業(同7.2%増)は大きく上昇した。また電気・ガス・水供給業は同5.7%増(前期:1.1%増)と上昇した一方で、建設業は同3.4%増(前期:同4.5%増)と民間部門と公共部門が揃って低下した。

全体の6割弱を占めるサービス業は、前期から伸び率の上昇した業種が多かった。不動産業が同3.6%増(前期:同4.2%増)、金融業が同1.8%増(前期:同3.1%増)と低下したが、卸売・小売業が同7.5%増(前期:同7.3%増)、ホテル・レストラン業が同5.3%増(前期:同4.1%増)、運輸・通信業が同6.1%増(前期:同5.3%増)と、それぞれ上昇した。
 
1 2月18日、タイの国家経済社会開発委員会事務局(NESDB)は2018年10-12月期の国内総生産(GDP)を公表した。なお、前期比(季節調整値)の実質GDP成長率は0.8%増と前期の同0.3%減から上昇した。
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経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

経歴
  • 【職歴】
     2008年 日本生命保険相互会社入社
     2012年 ニッセイ基礎研究所へ
     2014年 アジア新興国の経済調査を担当
     2018年8月より現職

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