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- 政策保有株式に関するディスクロージャーの強化
1 改正案の詳細については、金融庁ホームページ(https://www.fsa.go.jp/news/30/sonota/20181102_2.html)にて、同内閣府令に関する「新旧対照表」等が公開されているので、それらを参照されたい。なお、改正案に対する意見募集は、2018年12月3日の正午に締め切られている。
こうした政策保有株式に関するディスクロージャーは、2010年3月31日に公布・施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」において、本格的に導入された。具体的には、有価証券報告書の「株式保有の状況」において、政策保有株式の銘柄数および貸借対照表計上額の合計額は総額開示されるとともに、特に重要な銘柄については、銘柄ごとに、銘柄、株式数、貸借対照表計上額および具体的な保有目的が開示(銘柄別開示)されることになった2。
2 銘柄別開示の条件は、(1)貸借対照表計上額が資本金額の1%を超えるもの、(2)当該銘柄の貸借対照表計上額の大きい順の30銘柄((1)が30銘柄に満たない場合)である。なお、2018年11月2日に公表された改正案では、個別開示の対象となる銘柄数が現状の30銘柄から60銘柄に拡大されることになった。さらに、開示項目についても、従来からの項目に加えて、(1)提出会社の経営方針・経営戦略等、事業の内容およびセグメント情報と関連付けた定量的な保有効果(定量的な保有効果の記載が困難な場合は、その旨)、(2)株式数が増加した理由(最近事業年度における株式数がその前事業年度における株式数より増加した銘柄)等、さらに詳細な情報が開示されることになった。
こうした政策保有株式に関する開示強化の方向性は、同年6月に初めての改訂が行われたコーポレートガバナンス・コードにおいても同様である。上場企業は、「有価証券報告書」のみならず、「コーポレートガバナンス報告書」においても、自社の政策保有株式に関するさらに詳細なディスクロージャーが求められる。これにより、中長期的な企業価値向上の観点から、株主・企業間の建設的な対話の促進がますます期待されることになる。
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東京理科大学経営学部
柳瀬 典由
研究・専門分野
(2019年02月05日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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