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- 貸出・マネタリー統計(18年9月)~銀行貸出に2つの底入れ感
2018年10月12日
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1.貸出動向: 貸出の伸び率は底入れ
次に、為替変動等の影響を調整した実勢である「特殊要因調整後」の銀行貸出伸び率(図表1)1を確認すると、直近判明分である8月の伸び率は前年比2.28%と7月の2.16%から0.13%上昇した。見た目(特殊要因調整前)の銀行貸出の伸び率はこの間に0.19%上昇していたが、外貨建て貸出における為替変動の影響が残高の押し上げに働いていたため、特殊要因調整後の伸びは見た目よりもやや限定的となった。
9月の「特殊要因調整後」伸び率は未判明だが、同月のドル円レートの前年比円安幅(見た目の伸び率の押し下げ要因)は8月からほぼ変わっていないため、特殊要因調整後の伸び率も見た目の伸び率と同程度上昇し、前年比2.4%台に乗せたと推測される。
なお、今後はアパートローン(投資用不動産向け融資)の動向が注目される。昨年来、市場の過熱感が問題視されたことで新規貸出が減速していたが、今後はさらにスルガ銀行問題の影響が懸念される。銀行貸出全体への影響は限定的とみられるが、多くの銀行で同分野での貸出スタンスが慎重化している模様であり、貸出伸び率の抑制に働く可能性がある。
1 特殊要因調整後の残高は、1カ月遅れで公表されるため、現在判明しているのは8月分まで。
9月の「特殊要因調整後」伸び率は未判明だが、同月のドル円レートの前年比円安幅(見た目の伸び率の押し下げ要因)は8月からほぼ変わっていないため、特殊要因調整後の伸び率も見た目の伸び率と同程度上昇し、前年比2.4%台に乗せたと推測される。
なお、今後はアパートローン(投資用不動産向け融資)の動向が注目される。昨年来、市場の過熱感が問題視されたことで新規貸出が減速していたが、今後はさらにスルガ銀行問題の影響が懸念される。銀行貸出全体への影響は限定的とみられるが、多くの銀行で同分野での貸出スタンスが慎重化している模様であり、貸出伸び率の抑制に働く可能性がある。
1 特殊要因調整後の残高は、1カ月遅れで公表されるため、現在判明しているのは8月分まで。
2.マネタリーベース: 長期国債買入れペースは「めど」の半分に
3.マネーストック: マネーの伸びは低下基調
M3の内訳を見ると、最大の項目であり、全体の約半分を占める預金通貨(普通預金など)の伸び率が前年比6.5%(前月は6.7%)と低下したほか、CDのマイナス幅がやや拡大した。一方、現金通貨の伸び率が3.9%(前月は3.8%)とやや上昇したほか、準通貨(定期預金など、前月改定値▲2.0%→当月▲1.9%)の伸びがマイナス幅をやや縮小したことが下支えとなった(図表11・12)。
(お願い)本誌記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本誌は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
(2018年10月12日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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